デイトレに何の戦略も無いまま、競馬などのギャンブルと同じノリで
「一攫千金」
を夢見て参入してくる人が少なからずいる。
新規参入組の30~50%は、多少毛色は異なっても、結局はこのグループに属していると思われる。
「生粋のブタ組」
である。
このブログのような地味な内容は一顧だにしない。
途中で損失の痛みで目を覚まさない限り、時間の問題でマーケットから撤退していく運命にある。
上記より少しマシな参加者は、デイトレはギャンブルと違い、
運任せではなく、何か優位性あるノウハウを知る事ができれば勝てる
と思っている。
私も当初はこのグループに属していた。
デイトレには、確かに有効なノウハウというものが存在する。
しかも無数にある。(偽物も多いのでご注意を!)
自分で研究して見つけるも良し、多少は自己投資してノウハウを買うも良し。
それだけでも「生粋のブタ組」とは格段に生存率は上がっている。
しかし、そこで参加者は新たな敵と遭遇する事になる。
新たな敵とは、自分自身の本能である。
有効なノウハウを獲得しても、それが本物であればあるほど、そのまま実行するのが実に難しい。
これは経験した者でないとわからない。
この点で、マーケットとは実によくできていると感心してしまう。(もし有効なノウハウだけで誰でも勝てるようになるのであれば、猫も杓子もデイトレーダーになってしまうではないか!それでは世界経済が破綻してしまう。)
負けトレードと決まっても、「つい」粘ってしまう。
少しでも利が乗ると、「つい」利確してしまう。
「これぞ!」と決めたノウハウを実践しようと頑張っても、すぐに「つい」がでてきて脱線してしまう。
この「つい」が本能に理性が負ける瞬間だ。
しかし、何度かの負けトレードから、その負けた理由が自分の弱さにある事に気づくデイトレーダーもいる。
その問題を克服するには、結局は本能に打ち勝っていく他にないのである。
言うは易く行うは難しとは、この事の為にある言葉かもしれない。
損切りとは、ナイフで自分の手の平を切り裂くような行為である
という例えを読んだ事がある。
なるほどと思ったものである。
しかし、思い通りに損切りもできないようなトレーダーには結局のところ明日は無い。
どんなに難しく感じられようとも、この壁は超えて行かねばならない。
(実際、トレードの本質が理解できれば、損切りなんて体にとまった蚊を「パチン!」とやっつける程度の事に過ぎないのだが・・・)
そして遂には、規律を身につけ一貫性のあるデイトレが実践できるようになるトレーダーもいる。
結果として週間プラスが実現したりする。
遂にこのトレーダーはハッピーエンドを迎え、勝ち組の楽園に入ったのだろうか?
断じて違う。
週間プラス達成は、マーケットから「脱初心者」の免状をもらったにすぎない。
初心者を脱しただけでも立派な勝者ではあるのだが、まだその足元は薄氷を踏んでいるのである。
安心するのは早すぎる。
実はここからが、本能との真の戦いの始まりなのである。
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