「標準体重」という言葉だけでも前時代の遺物のように感じられるのですが、ネットを見ているとそれに輪をかけた存在として「理想体重」という言葉があったのも思い出しました。
「最も病気になりにくい体重」という意味で「理想」なのだそうですが、全くいい加減な概念もあったものです。
たまたま昨日も「拒食症」を題材にしたテレビ番組を放映していましたが、人間には理想的な体重があり、それより重ければ重い分だけ「醜い」という思い込みがあるようです。
その為、とりあえず少し運動してみたりします。
でも、全然痩せない。
当然です。
人間の体というのはプリウスなんて比較にもならないほどの超低燃費なのです。
テレビを見ながらちょっと腹筋してみるくらいでは殆ど効果はありません。
体脂肪1Kgを運動で消費する為には、例えばジョギングだと100Km走ってもまだ足りないのです。
毎日10Kmのジョギングといえば大したものですが、それを2週間続けてやっと脂肪1Kg程度のカロリー消費になります。
運動で痩せるのが難しいと知ると、今度は食事の量を減らしたりします。
中途半端に減らしてみても効果が出にくいので、例えば「リンゴダイエット」みたいに極端な減食に挑戦したりします。
根性さえ続けば、これは確かに効果があります。
1ヶ月に5Kgを超える減量だって十分に可能でしょう。
しかし、こういう急激な減量で減るのは体脂肪だけではありません。
筋肉も相当減少してしまいます。
筋肉というのは「力を出す」為だけにあるのではなく、肉体の飢餓状態においては「栄養貯蔵庫」の役目もはたし、いざとなれば惜しみなく自分の養分を溶かして体内に放出し、生命維持に貢献するのです。
「体重=悪」
のように考えていると、体重が減りさえすれば手放しで喜んでしまいがちですが、減らし方によっては筋肉を減少させてしまい、後々更に事態を悪化させる事にもなりかねないのです。
人間は眠っている時も、ソファでテレビを見ている時も、常にカロリーを消費しています。
いくら低燃費と言っても、生きているからには休むことなくエネルギーを消費し続けているのです。
この最低限のエネルギー消費を基礎代謝と言います。
この基礎代謝量は人それぞれですが、この数値が高いほど「太り難い」という事になります。
ではどういう人の基礎代謝が高いかというと、年齢や体重等によっても違ってくるものの、
筋肉が多いほど基礎代謝も高い
というのは間違いのないところです。
で、もう一度先ほどの急激な減量について考えてみると、根性の減食で減量を成し遂げたとしても、その人は痩せる前より筋肉も減っているので基礎代謝も落ちており、
減量前よりも太りやすい体質になっている
と考えられます。
太った人が短期間のうちに痩せたのに、気が付けば元通りどころか、痩せる前より太ってしまう事が少なくありません。
「リバウンド」という言葉をご存じの方も多いでしょうが、単に元に戻るだけでなく、元よりも太ってしまいやすいのがリバウンドの恐ろしいところです。
それでは、ようやく準備も整いましたので、私が禁煙で5Kg太った時にどう考えどう行動したかについてご紹介したいと思います。
と思ったら、もう結構長くなってしまったので明日に続きます。(一般的な「ダイエット」とは程遠いので、あなたの参考にして頂けるかどうかは疑問ですが・・・?)
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