子供にフルスイングを教える時は、細かい技術から入るより、こういう原理をわからせてやり、スイングを頭に描けるようになる事のほうが大事だ。
何事も分析しすぎると頭が麻痺してしまうと聞いたことがあるが、
ゴルフのスイングでも細かい複雑なことに心がとらわれてしまうと、よいプレーはできないものだ。体の動きは、たいていの場合、意識によって制御される。
だが、ゴルフのスイングはあまりに速く、意識では制御しきれない。
実際のところ、ゴルフのクラブは無意識が振っているのだ。
その事は自動車の運転、とくにマニュアル車の運転を習ったときのことをおもいだしてみるとよくわかる。最初は動作がぎこちなく遅いはすだ。
ギアチェンジもぎくしゃくと機械的だったはずである。
まずクラッチを踏みこむ。
ギアをチェンジする。
クラッチから足を離す。
アクセルを踏み込む。
これら一連の動作をハンドルを握ったままで行うのだから、簡単にはいかない。
でも、何年も車を運転して慣れてしまうと、ギアチェンジの一連の動作はほとんど無意識に行われ、第二の天性になっているだろう。ゴルフのスイングも同じだ。
トラブルは、スイングの中に意識が頭をもたげたときに起こる。
意識を活発に働かせるのはプレショット時に、ショットに影響を与える風、傾斜、ライなどの要因を検討する時だけだ。
意識と無意識を調和させる方法はあるが、言うは易く、行うは難し。
私がフルスイングに入る前のチェック事項はなるべくシンプルにするべきだというのも、そこに理由がある。
頭の中がいろいろなことでいっぱいになっていなければ、本能に任せたショットが無意識に簡単に打てるはずだ。(アール ウッズ Training a Tiger P.134)
タイガーウッズのお父さんの本です。
自分の子供をタイガーウッズや石川遼君みたいに育てたい人には、必読の書でしょう。
でも、そうじゃない人には、結構ゴルフ好きの人に対しても、そんなにお勧めでもありません。
引用したのは、もちろんデイトレに関しても示唆に富む部分だと感じたからです。
裁量トレードにせよ、システムトレードにせよ、どこで頭を使い、どこで使ってはいけないか?
自分のデイトレはスムースか?
変にぎくしゃくしていないか?
エントリーの前に、無駄な事まで考えすぎてはいないか?
逆に、把握しておくべきことをないがしろにして、飛びこんだりしていないか?
いろいろ考えてみる事には意味があると思います。
タイガーがゴルフの天才である事に疑問の余地はありませんが、しかし、この親父さんの子育て哲学がなければ、タイガーも芽が出なかった可能性を考えると、世の若いパパやママも、子育てについて先人に学ぶ事がもっと必要かもしれませんね。
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