デイトレーダーって、デイトレに関する知識を頭に詰め込む事で、
「勝てるようになる」
と考えがちですが、それは勝てないデイトレーダーの誤解と錯覚に過ぎません。
私も例外ではなく、この誤解をしていました。
実弾トレードを始めた最初の月はプラスだったのに、その後200冊の書籍を読破しても、ず~っと収支マイナスが続きました。
トレードに大切な「ある事」とは?
「ある事」の意味が理解できていなければ(腑に落ちていなければ)、どんなに勉強したって、例え千冊の書籍を読破したって、結局はブタの領域から一歩も出る事なく、同じ所をグルグル回っているだけに等しいのです。
この記事でも書いた通り、トレードに関する勉強を沢山する事が間違いであるはずがありません。
でも「ある事」に対する認識や実践を先送りにしている限り、トレードの勉強は「気休め」に過ぎません。
「ある事」について理解し、実践していく姿勢があって、初めて「知識」も働く場所を得ます。
その「ある事」とは、既に私のメールセミナーでも書いてきた事ですが、
『リスクを取る』
という事です。
「リスクを取る」の本当の意味
デイトレで実弾発射するからには誰でも、
「リスクを取っている」
と思っています。
トレードに100%が無い事も、負けトレードが存在する事も、大抵のトレーダーは知っています。
でも、本当の意味で『リスクが取れている』と言えるトレーダーは常に少数派です。
この記事では、トレードとはドツキアイに近いものであり、なんとその相手は自分自身だという事を書きました。
これも、リスクが取れているかどうかという事を別の角度で表現したものです。
『本当の意味でリスクが取れている』
というのがどういう事かと言うと、これからエントリーする時、及び、既にポジションを取っている状態において、そのトレードが「負け」に終わった場合、
どの程度の損失が発生するかを、予め100%受け入れている心理状態
を言います。
当たり前のようで、真の意味で当たり前にできているトレーダーは極めて少ない
こう書くと、なんだか
「あたりまえ」
みたいな事ですが、殆どのトレーダーにとっては、ちっとも「あたりまえ」ではありません。
もし損失が発生する可能性、及びその程度を100%受け入れているのなら、損切りの時に躊躇する事も無ければ、感情の起伏も無いはずです。
「損切りで痛みを感じない」
と言えば、今度は
「あたりまえとは真逆」
の事となり詭弁(きべん)のように思われるかも知れません。
人間ですから利確では「快」を、損切りでは「不快」を、多少なりとも感じるのは自然な事です。
でもその事によってトレードにおける判断が影響を受ける事はありません。
なぜそう言い切れるかというと、
個々のトレードは、自分が決めたルールに沿う事にだけ集中しており、勝ち負けは、結果に過ぎない。
(≒どうにもならない事)」
と考えているからです。
嘘のような本当の話
トレードの勝ち負けが「どうにもならない事」と考えているなんて、これまた「嘘!」と感じられるかも知れませんね?
でも、本当だと言うしかありません。
エントリーの時点で本当にリスクが取れているのであれば、勝っても負けても、そのどちらの結果も完全に受け入れているという事ですから、勝つか負けるかは単に、
「起こりうる結果」
の片方でしかないのです。
ポジションを取った後、トレーダーにできる事は
「ルールに沿った脱出」
があるのみです。
どんなに勝ちに執着したところで、或いは、どんなに負けから遠ざかろうとしたところで、更に儲かったり、損失が回避できたりする訳ではありません。
いかに「どうでもよくない」と頑張ってみたところで、得られる結果は
「どうでもいい(結果はわからない)」
と思ってトレードしたのと全く同じです。
だったら、無駄な心労にエネルギーを使う必要なんて無いじゃないですか?
実は「どうでもよくない」という執着の心理は、無駄なエネルギーを使っているだけではなく、理性を後退させ本能がむき出しになりやすい点で、トレードの判断力にも深刻な悪影響を与えています。
無駄な事にエネルギーを使わない事が徹底できるほどに、トレードの判断も研ぎ澄まされていき、真の実力が発揮できるようになります。
トレーダーが執着すべきは、
「まとまった回数のトレードにおける収支」
です。
まとまった回数のトレードの収支には徹底的に拘(こだわ)って下さい。
一方、個々のトレードは「勝つも負けるも時の運」でしかありません。
その時に何か頑張ったから結果が良くなる、という事はありません。
強いトレーダーが負ける事もあれば、弱いトレーダーが勝つ場合もあります。
しかし、まとまった回数のトレードにおける収支には実力が現れます。
エントリーした直後から、そのポジションが思った方向に進む事を祈るようでは、
「1個のトレード」に執着しているという事です。
取ったポジションが含み損の状態になったとき、少しでも苦痛を感じるようでは、
「1個のトレード」に執着しているという事です。
予定した損切りのレベルまで動いてしまっているのに、損切りに躊躇してしまうのも、
「1個のトレード」に執着しているという事です。
勿論、損切りすべき時に損切りできず、ズルズルと時間が経ってしまい、想定外の大きな損失を発生させたのも、
「1個のトレード」に執着した結果です。
「1個のトレード」
に執着するか、しないか、それがブタと狼の分かれ目です。
1個のトレードに固執しない
「1個のトレードに固執しない」という事を体得するのは容易では有りません。
人間の本能に真っ向から逆らう行為だからです。
でも、それを目指して継続的に努力していけば、途中で投げ出さない限りは、いずれ会得できるはずです。
そんなに抽象的な話ではありませんし。
目指して努力するだけでも、いろいろなメリットが実感できてくるでしょう。
まずは、よく考えてみて下さい。
過去の自分のトレードを振り返ってみて下さい。
そして「フリ」でも良いから、1個のトレードに執着しない姿勢を行為に移してみて下さい。
「デイトレ攻略の新戦略」レポートの中で紹介した「スクラッチ」も、執着しないトレードを体験する素晴らしい方法です。
これを1回経験するのに、費用は千円もかからないと思います。
時間も10分かからないでしょう。
たった1回のスクラッチで、何百冊の本を読んでも得られない「気づき」が得られるかも知れないのですから、少なくとも一度は試す価値があります。
と言っても、やる人はせいぜい10%程度。
だからこそ価値があるのですが・・・?
殆どの人が、ホイホイ簡単にやってのけるような事で狼に変身できたら、世話は無いです。
今回も、最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。
(補足)「個々のトレード結果に固執しない」という事を別の言葉で表現すると、どんなに敏腕の狼トレーダーであっても、目先の1個のトレードの勝敗は解らないし、気にも留めていないという事です。
狼トレーダーの頭にあるのは、自己のルールに従ってきちんと自分のトレードを毎回繰り返し、勝ったり負けたりしながら、トータルでプラスを積み上げていくという信念です。
「勝ち」も「負け」も、自己のルールに従ったトレードの結果であれば、等しく「正解」なのです。
逆に、自己のルールから外れたトレードをしてしまったなら、結果に関わらず「駄目トレード」なのです。
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