初心者を卒業して、しっかり損切りができるようになっても、そのまま大富豪に直行という訳にはいきません。
私も含めて、トレーダーの前には常に新たな壁が立ちはだかっているものです。
その初期の典型的なものが、損切りビンボー病です。
エントリーしても、すぐに損切りに引っかかって脱出。
これが不思議なほど頻繁に起こる病気です。
こういう時は、少し後ろに下がって、自分のデイトレを客観的に評価しなおす必要があります。
損切りビンボーの原因の大半は、浅すぎる損切り位置にあります。
損切り幅だけじゃなく「損小利大」への理解も少し浅いという事です。
「利益はクレクレ、損はイヤイヤ」
では、決して稼げません。
これは、ぼったくりバーの経営理念と同じです。
ぼったくりバーで、全国チェーン展開してる話なんて聞いた事ありますか?
みんなカッツカツなんです。
商売の本質から逸脱しているのですから、儲かるはずが無いのです。(法的なリスクを上手に取って稼いでいるところもあるでしょうが、それはまた別のリスクですからね?)
まあ、こんなところで私のビジネス論を展開しても退屈されてしまうので、なぜ浅すぎる損切り位置では稼げないのか、少しだけ解説しておきましょう。
株価にせよ、ドル円にせよ、一本調子に動く事はめったにありません。
常に、小さな上下動を繰り返しながら、より大きなトレンドを形成していきます。
小さな値動きは、ノイズ(雑音)みたいなものです。
短い波長のノイズを許容する事で、より長い波長のトレンドに乗る事ができます。
浅すぎる損切りとは、ノイズに同調してしまう事です。
損切りだけではなく、早すぎる利確でも同じです。
損切りの場合は「自己資金」がかかっており、利確の場合は「含み益」がかかっているというだけの違いです。
でも、
自己資金が減るのは嫌だ = 浅い損切り
も、
含み益を失うのは嫌だ = 浅い利確
も、いずれもノイズに同調している点では同じです。
ノイズに同調している限りは、異なる波長であるトレンドに乗る事はできません。
ポジションを切った直後から大きなトレンドが発生して、
「ちっくしょ~~」
という経験は誰にもあると思いますが、これは運が悪いからではありません。
波長が合って無いから振り落とされただけの事で、必然の結果なのです。
AMラジオでFM放送は聞こえませんね?
それと同じで、小さな値動きに過敏に反応するのであれば、大きな値動きの前に振り落とされる方が必然なのです。
こういう現象も、常に「リスクが取れているか?」という観点から考える事ができれば、比較的簡単に出口が見つかるはずです。
デイトレで稼ぎたければ、積極的(又は意識的)にリスクをとっていく事が必要です。
(「トレンドフォロー派」がトレーダーの多数を占めていると思います。でもその売買の実体は?というと、そのトレーダーが狙っているトレンドとは関係ない波長のトレードに終始している事の方が多いかも知れません。)
だから、損切りも「浅ければ良い」というものではないし、利益も「確実」に取れば良いというものではありません。
自分が乗りたいトレンド(≒値動きの幅)に見合った大きさのリスクを取る事が必要になる訳です。
誰でも、深い損切りは痛いし、みすみす含み益を吐き出すのは悔しいものです。
しかし、デイトレを単発で考えるのではなく、10回や20回を単位としたセットで考え、トータルでの総利益を考える事ができるなら、リスクを取る事の必要性が理解できてくるでしょう。
そして、初歩レベルを卒業して更に上を目指すのであれば、今度は「積極的にリスクを取っていくという意識」が必要となってきます。

勿論、十分な検証や、更に強い精神力が必要となりますが、デイトレーダーとして上達する為には、避けて通れない道という事になるかと思います。
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