「空売は、本当に危ないか?」に頂いたコメントに対して、私は、
「売り」はテクニカル的には、完全に「買い」のテクニックを裏返しているだけで、同じ
といった事を書きました。
これには補足が必要でしたので、ここで書きます。
チャートを見て、それを根拠にデイトレする事をテクニカル・トレードと言います。
ではテクニカルを根拠とするデイトレーダーは、チャートの何を見ているのでしょうか?
チャートは、その株(先物、FXも基本は同じ)に資金を投じている人々の「欲望」や「恐怖」、あるいは「迷い」の縮図と考える事ができます。
そして「欲望」が今後急速に高まる所で買い、「恐怖」が急激に強まる所で売れば、その後の勢いに乗って動き、適当に手仕舞う事で利益がでると考えます。
その「欲望」や「恐怖」が急激に強まるポイントとしての最有力候補が「ブレイクアウト」です。(と私は思ってます)
この「欲望」や「恐怖」は人間の本能に基づく感情ですから、江戸時代の米相場でも、現代のネット・トレードでも変わらず有効であり、今後も有効あであろうと考えます。
「欲望」が「+」とすれば、「恐怖」は「-」であり、裏と表の関係にあります。
従って「欲望」と「恐怖」が支配するポイントでは、上下が逆になるだけで、「同じ」と考える事は間違っていません。
ところが「欲望」と「恐怖」を比べると、人の本能に訴える度合いに違いがある事もまた容易に理解できるでしょう。
人は「欲望」で+1となるような刺激と同程度の「恐怖」には-3の反応を示すのです。
その為、通常ある値幅上昇する為に必要な期間に対し、同程度の値幅下落する為には1/3の期間で足りてしまうのです。
例えば1000円の株が1500に上昇するのに3ヶ月を必要とするのであれば、1500円から1000円に下落するのに、1ヶ月しか掛からないという事です。
面白い事に、この株式のチャートの性質は、時間枠に関係なく機能します。
年足でも、月足でも、日足でも、分足でも、ほぼ同じように機能します。 (経済状況などで、長期的なトレンドが発生している場合等を除きます)
つまり(非常に荒っぽい表現ですが)「空売り」は「買い」より3倍の短期間で利益が出る可能性があります。
エントリーするポイントの判断材料としてブレイクアウトを使う限り、「売り」と「買い」は裏返しの関係にありますが、一定の利益を得るのに要する時間は「売り」の方が短くて済むと結論されます。(勿論、例外もありますよ。例外は常にあります。)
ちょっとややこしい文章になってしまいましたが、大事な事です。
1回読んで「何言ってんの?」って思った方、もう一回読んで理解する価値が、あると思いますよ。
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