デイトレーダーに必要な事柄については、「優位性について考える」カテゴリの、「デイトレーダーの要件、重要度ランキング」のシリーズにいろいろ書きましたが、それらの要素はパーツ(部品)にすぎません。
どれも重要ですが、しかし例えば本を1000冊読んだって、証券会社20社に口座を開いたからといって、「勝てる」トレーダーになれる保証なんて全くありません。
トレーダーの多くは資金も時間も限られていますから、まず正しい「目標」を設定して、その早期達成に集中するべきです。
「生死の境をさ迷っている」トレーダが、まず真っ先に目指すべきなのは
「週間単位プラス」の実績を出す事です。
そして、それを死守していく事。
「私はこの方法によって、マーケットから利益を得る事が出来る」
という「実感」をまず持てるようになる事が何よりも大事です。
この健全な「実感」があって初めて、例えば
「私は10トレードすれば、4敗は覚悟せねばならないが、私の利確・損切ルールを守る事で、トータルプラスに出来るんだ!」
といった、個々のトレードではなく、より包括的な「トレード・プラン」を意識できるようになります。
殆どのトレーダーは「10%しか生き残れない」という厳しい現実を知りながら、「自分だけは大丈夫」の全く矛盾した心理状態でトレードします。
「儲けなければ!」
「損はできない!」
「損失を取り戻さねば!」
等という「恐怖と欲望」のプレッシャーに加えて「デイトレで勝てないとしても不思議ではない」という弱気の混ぜ合わされた精神状態で困難なゲームに挑んでいるのです。
これは、手足に鉄アレイをくくりつけて水泳の練習をしているようなものです。
泳げるようになる前に「沈没」してしまう可能性の方が高いでしょう。
ではどうすれば、健全な水泳ができるのか?
鉄アレイを手足からはずして泳ぐ事です。
あたりまえですね。
ではどうすれば「週単位プラス」を目指した健全なトレードができるのか?
「欲望」と「恐怖」という重しを軽くするのです。
軽ければ軽いほど、泳ぐ事の難度は下がります。
つまり「投下資金を最小限にする事」が「週単位プラス」への最短の方法となります。
投下資金一定の法則(2)でも書きましたが、「週単位プラス」をできるだけ早く実現させるためには「簡単なトレード」をする必要があります。
投下資金を一定にするのは「簡単トレードの為のクスリ」と書きましたが、その究極は
「投下資金一定&ゼロ」=「ペーパー」
となります。
あなたは「ペーパートレード」が好きですか?
好きじゃないですよね。
トレードは儲ける為にやってるんであって、
「プラスマイナス・ゼロの日を何日も続ける為にやってるんじゃない」
という意識があります。
私がそうでした。
「ペーパートレード」を全くやろうともしませんでした。
でも、それは大きな間違いでした。
既に書いたように「10トレードすれば、4敗はするけど、トータルではプラスにできるんだ」という「実感」があるからこそ「自分のルールに従う事」つまり損切や利確のルールを守る事が可能になるのです。
何がなんでも「儲けねば」なんて心境だと、個々のトレードに強い執着心が生まれ、すぐ利確してしまったり、損切が非常に難しくなったりします。
損切に失敗して損失を抱えると、益々「負けられない」と思って、個々のトレードに執着するという悪循環が始まります。
どんどん「週単位プラス」から遠ざかってしまいます。
「ペーパー」がつまらないのは、プラストレードが出来ても利益にならず悔しいからです。(そもそも、ペーパートレードの意味が全く理解できていないトレーダーも少なくありません。)
でも、それは目標を見誤っていると言ってよいでしょう。
「週間単位プラス」が繰り返し実現できるようになりさえすれば、あなたはその後何百回、何千回もトレードを繰り返す事ができ、大きな利益を上げる事ができます。
その為に、わずかな回数の「利益」をペーパーで無にしたからといって、いかほどの事があるでしょうか?(実際には、損失を「無かった事」にできる可能性の方が高いと思いますが・・・?)
ペーパーで「週間単位プラス」を実現でるという事を水泳に例えるなら「とりあえず、いつまでも浮かんでいる事ができる」という状態にすぎませんが、まず「私はもう溺れない」という水泳で極めて大事な「実感」を得る事ができます。
水に対する恐怖が無用のものである事を、経験的に感じる事ができます。
あとはより効率良く前に進む方法を訓練すれば良いだけです。
「ペーパートレード」は、単に初心者が損失を発生させない為のものだと、一般には理解されています。
でも本当は
・初心者がプロ・トレーダーに必要な実感を獲得する為の、
・最短で「負け組」から「勝ち組」に移る為の、
・「ブタ」が「狼」に変身する為の、
「近道」
なのです。
「実行困難な方法ほど、有効である場合が多い」
という経験則は、こんな所でも生きてたんですね。
文章がまずくて解りにくかったかもしれません。
文章の意味は解っても「解りたくもない」内容だったかもしれません。
でもこのアドバイスを聞く耳があれば、あなたの「生存率」は格段に向上します。
ぜひ、よく考えてみて下さい。
(どうしてもペーパーは無理という方、ぜひ投下資金を減らして下さい。それもどうしても無理という方・・・ご冥福を、いえ御健闘をお祈り致します。)
これに慣れてしまうと、リスクを取る自分の器が小さくなって、元に戻すのに苦労してしまうのです。
怪我も小さいが、利益も小さいなら、いっそペーパートレードで、仮想資金を実弾だと自己暗示をかけて真剣にトレードした方が、実弾トレードに移行する時の事まで考えると、メリットが有るように思っています。
必ず、お返事させて頂きます。
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