たかやんさま
いつもデイトレセミナーメール配信ありがとうございます。
たくさんの気づきがあって勉強させていただいています。
「完璧病」がトレーダーにとっては落とし穴になるという事や、トヨタの例えの話、トレードはリスクを取ることによって利益を得るというのも納得できたのですが、その「リスクをできるだけ減らそうという改善がいけない」という部分だけが、今の自分では理解ができませんでした。
100%負けないことなどは有り得ないし、リスクテイクは必要ですけど、できるだけ少ないリスクで大きなリワードを得るためという改善なら、それは正しいことではないのかなと思いました。
考えても分からなかったので、遠慮なくメールさせて頂きました。
よろしくお願い致します。
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良い質問です。
こういう所が私の盲点に入っているので、質問して頂けると私も気付けるので、助かるのです。
リスクの意味を「危険」とのみ考えると、確かにリスクは少ない方が良いはずです。
例えば、損切りできない危険、負ける危険、PCが壊れる危険、ネットが止まる危険、大災害が起こる危険・・・
そういう危険が減らせるものなら減らせた方が良いに決まってますよね?
でも「リスクを取る」という時のリスクは、上記とは少し種類が異なります。
この場合のリスクとは、例えば「投下資金の大きさ」と考えてみて下さい。(実はリスクの取り方は他にもいろいろあるのですが、とりあえずは「投下資金の大きさ」と考えてみる事でOKです。)
そして、トレードというのは、
「負ける事もあるが、10トレード、20トレードと、複数のトレードを一つの単位として考えれば、プラスになっている」
という事(自分なりの手法)が確立できた上で実弾を投下するものとします。
殆どのアマチュアトレーダーは、手法を確立する為に実弾で試し続けますが、それは実は馬鹿げた事であり、当然の結果として90%以上の参加者が1年以内に退場していきます。
でも、1年以上生き延び、しかも収支がプラスにできているトレーダーは、
「負ける事もあるが、10トレード、20トレードと、複数のトレードを一つの単位として考えれば、トータルではプラスになっている」
の前提が成立しているはずです。
この前提が成立していると仮定した場合(=1トレードの期待値が「1」を超えている場合)、
そして例えば資金が1億円あると仮定した場合、
明らかに、時間と労力の無駄と言えるでしょう。
「リスクの取らなさ過ぎ」です。
「やらない方がマシ」と言うものです。
なぜなら「最悪の連敗」という事態も、長いトレード人生では必ずと言ってよいほど起こり得るからです。
こちらは「リスクの取りすぎ」です。
これは「やってはいけない」トレードです。
上記の2つは極端で、共に「ダメ!」の例となりますが、そうすると最適値は(1)と(2)の間のどこかに有るという事になります。
トレーダーの性格によって、安全に傾く人もいれば、危険に傾く人もいます。
トレーダーによって「取れるリスク」の大きさは違って当然です。でも、
「安全第一」というのは、工事現場では「間違いなし」ですが、マーケットでは必ずしも「間違いなし」とは限らないのです。
「安全第一」と考えすぎるばかりに、損切りビンボーになったり、チャンスを見送ったり、利益が小さすぎたりと、貴重な時間を無駄に過ごしてしまうトレーダーも少なくないのです。
負けトレードで損切りするのは、いくら慣れているとはいえ嫌なものです。
しかし、その痛みをあえて大きくしてでも、最終的なリターンを大きくしていく、という意識がトレーダーには欠かせないと思います。
無理して破綻していては駄目です。でも、
「負ける事もあるが、10トレード、20トレードと、複数のトレードを一つの単位として考えれば、プラスになっている」
という前提が成立しているのなら「破綻しない前提の上で、できるだけ大きなリスクを取る」という意識が欠かせないと思うのです。
「危険」は小さい方が良いに決まっています。
でも、トレーダーは「資金をマーケットで働かせる」のが仕事なので、働かせる資金の大きさによって稼ぎも決まってくるのです。
「働かせる資金は極力小さく、稼げるお金は極力大きく」
というのは、単に思考が矛盾しているのです。
トレードという仕事を見誤っている可能性が大です。
その矛盾を解く合言葉が、
「リスクを取れ!」
なのです。
いかかがでしょうか?
たかやん
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内容を読ませて頂いて、とても納得して腑に落ちました。ありがとうございます。
深いですね。
という事はどのタイミングで、どれくらいのリスクを取っていくかという判断が大事になってくるという事ですね?
それは、自分のルールや経験などによって、自信がある時や、損切り幅がいつもより小さく狙える時、そのタイミングなら普段より大きくリスクを取る価値があると思えるのですがどうでしょうか?
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私の言葉だけでは退屈でしょうから、「デイトレード大学」岡本治朗著から引用してみます。
『複数枚数を建てるなら、分けてエントリーする事で、マーケットの不確実な動きに、確率からくる優位性で勝つ事ができる。
さらにほかのテクニカル分析を元に、自分がうまくいく確率に従って、ポジションのサイズを決める。
成功しているトレーダーは皆この原則に従っていることからみても、大切な事なのである。(P.98)』『重要なのは予測の精度の高さよりも、予測が的中しているときにどれだけ資金を増やせるか、予想が裏目に出た時にどれだけ資金の減少を抑える事ができるかである。
トレーディングは、マネーマネジメントのゲームと言える。
自分の優位なときには大きく建て、反対に不利な時には損切り、そして休むのだ。(P.99)』
細部は私の考えと違うところもありますが、主旨としては、概ね私も肯定せざるを得ない内容だと思います。
たかやん
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必ず、お返事させて頂きます。
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