デイトレーダーと言っても、私みたいに引けまでポジション維持するのが珍しくないタイプもいれば、エントリーから脱出まで数秒~数分みたいな短期決戦を終日繰り返しているようなタイプもいるはずで、そういうスタイルも何も無しに一律に「日足は分足に優先する」と断言するものではありません。
実際私でも、日足トレンドに反して仕掛ける事はそんなに珍しい事ではありません。
「ウップス」のように、集団心理が手に取るようにわかるような分足の強いパターンが出た場合などは、日足トレンドなどにかまっている場合ではありません。
要するに、値動きの先が見えて「勝てる」という確信があるような場合は、
「セオリーなんてクソくらえ!」
で構わないという事です。
(ホントはトレンドに逆らうのが怖いので「セオリーなんてクソくらえ」と、自分に勢いを付けているというところがかなりあります。)
値幅を取ってこそのデイトレであって、いくらお行儀よくセオリー通りのトレードを繰り返したからといって東証から報奨金がもらえる訳ではありませんから。
でもそれは、日足トレンドに逆らってでも勝てると思うだけの根拠があるからそうするだけであって、むやみにトレンドに逆らうつもりは毛頭有りません。
その一方で、エントリーにイマイチ確信が持てないというトレーダーであれば、とりあえず、
「5MAと10MAの両方の上でだけ買い、両方の下でだけ売る」
というフィルターを通したトレードをするだけで、間違いなく一定の「優位性」の中で泳ぎまわる事ができます。
ちょっと遅すぎのタイミングでエントリーしても、構わず上昇気流が利益に誘導してくれる事もあれば、つい損切りしそこなったのに、思わぬ反騰に救われたりします。
言うまでもなく、そうならない場合だってありますが、「トレンドは友」という事を理解し敬意をはらえるトレーダーには、確率的な恩恵が自動的に与えられるという事です。
但し、いくら「長期トレンドは短期トレンドに優先する」とはいっても、デイトレーダーが年足や月足とばっかりニラメッコしても、そんなに良い事が起こるとも思えません。
なぜなら、トレンドを計る期間が長くなればなるほど、トレードの焦点(トレンドラインやMAの線)が、現値から遠く位置する傾向があるからです。
例えば、
これは日経平均の日足で、100MAが見えていますが、この100MAを尊重し続けるなら、何ヵ月も買いエントリー禁止で過ごさねばならなくなります。
そんなバカなルールはありません。
フィルターは無駄な損失を押さえる為のものであるべきで、機会損失を増大する為のものであってはならないからです。
もっと短い期間のトレンドラインやMAを根拠に、買うべき時は買うべきです。
のように、株価と長期MAが接近してきた時は、それが示唆する事にも敬意を払う必要があります。
このチャートの100MAが、今後必ずしも下値支持線として機能するという保証はありませんが、「機能する可能性が高い」といった事まで否定するのであれば、テクニカル・トレードを否定する事と同じだと思います。(現在は「100年に一度の・・・」と言われているくらいですから、100MA程度の短期MAなど、ティッシュペーパーのように破られる運命にあるのかも知れませんが、そういう時事的な事を置いておいて一般論で述べるなら、100MAはデイトレでは注目に値する長期MAという事になります。蛇足が過ぎますが・・・)
その判断だって別にそのトレーダーの自由ではありますが、トレンドを敵とする、確率的に不利な戦いを強いられる覚悟は必要でしょう。
私だって、分足だけ見てて勝てるものなら、わざわざ日足や週足や月足まで見たりはしません。
しかし、私には分足だけでは根拠のある売買ができず、より長期のチャートの裏付けを基にデイトレした方が遥かに勝ち易い事を知っているので、私のトレードに最も好影響を与える予習時間の使い方として、その殆どを日足を見る事に使い、念のため週足や月足もチョッピリ確認するのです。
トレンドを重視するというセオリーに従いながら、自分のデイトレの優位性を少しでも上げていく為に何をどれだけ見るか、の調節は常に行い、時にはセオリーを無効にするような条件を見つけたりする事も必要になります。
ま、それは後々の事として、週間月間のトータルプラスが目標であるような段階のトレーダーには、まずは「トレンドには逆らうな」という言葉を送りたいと思います。
トータルプラスが実現できるようになれば、この記事に書いてある事も、10倍はクリアに理解できるようになっているはずですから、どういう時にはセオリーを無視すべきか等という事も、その時には難無く見えてくるはずです。
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