ある程度の期間を生き残り、ようやく勝ち方が判りかけてきたトレーダーが最も用心しなければならないのは、
それまで以上に急速に儲かる状態を求めようとするブタな心理
です。
例えば、ずっとマイナス収支が続いてきたにも関わらず、挫(くじ)ける事無く自分なりの手法と向き合い続けた結果、ようやく一定期間のプラス収支を達成したのであれば、そのトレーダーが次に目標にすべきは、
です。
(結果的に利益が増加したら、その時はニンマリして受け取れば良いだけです。)
同じ方法で、同じ期間に、同程度のプラス収支を3回繰り返す事ができたら、最初にプラス収支を達成した時とは段違いに腕が上がっていると思って間違いありません。
自己効力感(セルフエフィカシー)も、確実に向上しています。
同じ手法で同じ期間、同じようにプラスになっただけなのだから、何も変わっていないように思われるかも知れませんが、そんなことはありません。
そのトレーダーの内側には、目に見えなくとも、確実に大きな進歩があります。
何かを変えるのは、3回目を達成してから考えても、決して遅すぎるという事は無いと断言します。
3回以上繰り返して訓練しても、何の問題もありません。
上達とは、同じことを繰り返す訓練から生まれる。
と私が過去に書いた事を思い出して下さい。
プラス収支を繰り返す事で、利益率が同じであっても、確実に上達している事を信じて下さい。
ちょっと収支がプラスになったくらいで、自分のトレードをいじくってしまっては、せっかくの上達の芽は無残に摘まれてしまいます。
上達の芽は、それはそれはか弱いものです。
細心の注意をはらって、繰り返し続けて、確固たる樹木に育てていく必要があります。
収支マイナスから収支プラスになった時が、トレーダーとして最も転落しやすい事を覚えておいて下さい。
転落すると、当然ですが自信を失うので、再度収支プラスにもっていくのに、結構な時間を要してしまいがちです。
そうしてようやくプラスを達成したと思ったら、またも転落!
そういう過ちを何度も繰り返して、時間とお金を無駄に消耗しているトレーダーがかなりいるものと推測されます。
(私も何度となく転落していました。この悪循環の中にいると、何が良くて何が悪いのかさえ判らなくなってしまうものです。)
収支プラスの達成は、長い訓練の中の一つの通過点にすぎません。
そんな事は自分の中で「当ったり前!」にしていかなければならないのです。
それがもし本当に「当ったり前!」にまで鍛え上げる事ができれば、
他の何も変えなくても、単に枚数を増やすだけで、それに比例して利益も増やせる。
じゃないですか?
ところが、収支プラスを何か特別な出来事として自分の中で過大に評価し(舞い上がってしまって)、そこで
トレードを難しくしている落し穴の一つが、ここにあります。
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