MA(=移動平均線)には様々な見方、使い方がありますが、今日は主に支持線・抵抗線としての見方・使い方について書いてみたいと思います。
デイトレーダーは5MA、10MA、20MA(21MA)、25MA等の短期間MAを使う事が多いです。
当日の値動きを占う上で、短期間のトレンドを参考にするのは当然の事と言えるでしょう。
その一方で、50MA、65MA、75MA、100MA、200MA等の長期間MAがどんなトレンドになっていようと、「今日1日だけで完結するトレード」にとっては、「関係無い」と言いきってしまっても良いと思います。
全然当日のトレードと関係のないMAをチャートに表示させておくだけでも邪魔ですが、更に「株価がMAの上(下)だから・・・」なんて事を売買の判断材料にしていると、何が何だか混乱してしまうでしょう。
但しそれは、MAと株価の距離が離れており、当日のローソク足がどんなに動いても到底MAに到達できそうもない日に限られます。
つまり、デイトレにおいて普段は長期間MAを無視しても一向に構わないのですが、当日の値動きによってはMAに接触するほど長期間MAが株価に接近している場合は、むしろ短期間MAよりも重視する必要が出てくると言う事です。
支持線・抵抗線としてのパワーだけを比較すると、短期MAより長期MAの方が圧倒的に強力なのです。
例えば、
右のチャートで株価が(A)の部分にある時、その日どんなに動いても65MAには届きそうもありません。
こういう時は65MAの事は忘れていても(表示しなくても)問題ありません。
実際、株価も65MAの位置や傾きとは無関係に、下がる時は下り、上がる時は上がっています。
ところが、株価とMAが接近する(B)の位置関係になると、俄然65MAが上値抵抗線として意識されるようになり、実際に株価が65MAに押し戻される日が続いている事が見てとれます。
上値の重さが誰にも感じられるので、売買高まで抑え込まれているように見えます(C)。
65MAというのは、過去3ヶ月間の株価(終値)の平均値です。
そして、過去3ヶ月間の「典型的価格の推移」が65MAと見る事もできます。
65MAより株価が下にある時、65MAの位置は「理想の高値」です。
(言うまでも無く、65MAを意識していない人々にとっては65MAがどうなっていようと知った事ではありません。だからMAをテクニカル分析の材料に使うのであれば、できるだけ多くの人が意識しているMAを選ぶ事が基本となります。)
売りたい人は、現物を持っている人も空売りを目論んでいる人も、「あそこまで戻れば、ぜひ売りたい」と考えています。
しかし「あそこまで高くなったら買おう」なんて考えている人は殆どいません。
何しろ「高値の目安」とも言える水準ですから、なるべく安く買いたいという当たり前の心理が働けば、買いづらくなって当然と言えます。
売りたい人が沢山いて、買いたい人が少ないのであれば「下がる」のが道理というものです。
MAが上値抵抗線となる理由を文字で表すと、上記のようになります。
「MAの下で買ってはならない」
というのは「基本中の基本」です。
とは言え、当日の動きに関係ないほど遠ければ、その「限りに有らず」です。
そして、当日の動きに関係するほど近い時に限って「基本に従う方が無難」という事です。
とても基本的な事ですが、単に「MAの上で買い、下で売れ」という事を鵜呑みにしているより、このように参加者の心理を意識して理解する癖をつける事がテクニカル分析上達には大切であると思います。
さて、明日はいよいよ長期間MAをブレイクしてゴールデンクロスが実現するあたりの現象について考察してみたいと思います。
(それこそが今日の主題にするつもりだったのですが・・・。ぜひ、今日の記事を参考に、あなたなりのゴールデンクロスの意味を考えておいて下さい。)
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