書籍やe-Bookで熱心に勉強し、チャートも沢山見て、既に知識は十分ある。
なのに、本番では学習した事と違うトレードを繰り返して、収支が安定しない。
よくある事です。
今日は、この現象に名前を付けてみましょう。
「初心者シンドローム」
誰でも最初は「初心者」です。
学ぶのが仕事、全てが訓練。
そういう時期がある事は、勿論否定できません。
でも、そのアマチュア根性から早々に離脱する覚悟ができなければ、どんどん資金をマーケットに吸い取られ続け、最後には衰弱して退場させられる運命にあります。
何事であれ、最初は初心者です。
大抵の事であれば、簡単な事から慣らして行って、失敗したら反省して改善する、という経験を繰り返し積んでいけば、自然に上達し、いつかは初心者を卒業できるものです。
人間は反復練習すれば、ほぼ確実に上達するという素晴らしい性能を与えられています。
例えばスポーツを例にとれば、卓球にせよスキーにせよボーリングにせよ空手にせよ、最初は誰でも「ヘタっピ」ですが、楽しみながら、あるいは歯を食いしばって反復練習すれば、確実に上達していきます。
学位や資格を取得するのも、同じような事が言えるでしょう。
でも、そういう何事かを達成した自信のある人ほど、「デイトレでも、自分なら大丈夫」と思いこんでしまう傾向にありますから注意が必要です。
デイトレは、そんなに甘くはありません。
全員痛い目に会います。
それは仕方無いとしても、痛い目にあって「初心者だから」とか「練習がまだ足りないから」なんて自己弁護を繰り返している間は、更に何度でも痛い目に会わねばならないし、挙句の果てには退場が待っています。
なぜでしょう?
デイトレに限らず、トレードというものには、
という鉄板の恒等式が成り立ちます。(この式が成り立つ「トレード以外の事例」を私は知りません。どなたかご存じの方は教えて下さい。)
例えば、ギャップアップして、上値抵抗線よりも高い値段のついたものを、あえて買うのは、普通の人には「困難」な行動です。
例えば、上がると思って買ったのに、逆に下がってしまった時、そのまま放っておけば回復したり、或いは逆転して利益に繋がる可能性が残されているというのに、早々に損を確定させるという「損切り」は、普通の人には「困難」な行動です。
普通の人には「困難」な事が「当たり前」にできる事が、勝てるデイトレーダーには求められます。
普通の人にできる事をどんなに積み重ね続けても、デイトレの腕は殆ど上がらないのです。
マーケットから利益を出す方法は、普通の人のままでは実践できません。
本能を逆なでする行為だからです。
身銭を切るからには「初心者だから」なんて甘えは断ち切って、「私もプロである」という自覚に目覚め、普通の人には困難な事をどんどん自分に課していく事が求められます。
そうなって初めて、経験の積み重ねが意味を持ち始め、デイトレーダーとしての上達が始まります。
「初心者だから」とか「トレーニーだから」なんて言い訳をしながらトレードしている人は、実は初心者ですらなく、偽りのデイトレに耽溺しているにすぎません。
プロみたいに、普通の人間には「困難」な事を絶対のルールとして自分に課していく事を決意して下さい。
その決意が行動として定着した時、「初心者シンドローム」を抜けだして、はじめて上達の道を歩き始める事が可能になります。
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