負けを忌避する心がやっかいなのは、損失を拡大させ、トータルで損大利小となってしまう事だけではありません。
折角デイトレで優位性のある手法を学んでも、トレードする毎に、勝てば有頂天になり、負ければ落ち込んでいるようでは、結局その手法を我がものとするところまで行けないのです。
そんな浮ついた心で、気持ちだけ精一杯頑張って毎日デイトレしても、心理的ジェットコースターで繰り返し遊んでいるにすぎず、トレードの本質にはなかなか辿りつけません。
例えば1日平均3トレードするとしましょうか。
すると、平均週15トレードとなり、月60トレード前後という事になります。
この60トレードの中身がどうなっているか?
あるいは、どうなると推定しながら個々のトレードに取り組むか?
そういう視点があって、初めて自分のデイトレのスタイルも見えてくるし、
「負け」とどのようにつきあっていくべきかという事にも頭が回るようになります。
でも、私がそうであったように、稼ぐ事に心を奪われ、ポジションを取る度にドキドキ・ハラハラのトレードを繰り返していると、そこにはもう平常心などは存在しえず、本能の命ずるまま、どんどんブタになっていってしまいます。
そんな時に連敗でもして大損しようものなら、
「こんな手法ではダメだ!」
という事になり、それまでのトレード経験も全ては水の泡、元の木阿弥になってしまうという訳です。
毎日デイトレしていれば、いつか稼げるようになる(だろう)。
という考えは、単なる幻想かも知れません。
既にこのシリーズでも書いたと思いますが、トレードの最中に思考してもダメなんです。
本当の勝負は、トレードしない日にどれだけ自分のトレードについて考え、理解するかにかかっています。
「勝ち」を求めるだけではなく、どう「負け」と付き合って行くかを真剣に考え、検証していく事で、自分のデイトレに対するビジョンを明確に持てるようになります。
自分のトレードに対するビジョンが無いトレーダーは、エンジンの無い自動車のようなものと言えるかも知れません。
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