ナンピンとヘッジ

人間は生まれた瞬間から、いつかは死なねばならない運命を負っています。
ムササビの術
パラシュート無しで飛行機から飛び降りるようなものです。

その人の寿命は、飛び降りた時の飛行機の高度みたいなもので、短命に終わる場合もあれば100年以上も生き続ける場合も(まれ)ではありません。


そう考えると、人は誰でも悲観的になり、憂鬱(ゆううつ)な思いで暮さねばならないようなものですが、実際にはそうとは限りません。

トレーダーも、収支の点でみればブタと狼に分かれるのですが、収支とは別の観点で、楽観的なトレーダーもいれば悲観的なトレーダーもいるし、ロボットのようにトレードできるトレーダーもいれば、人間的なトレードに終始しながら、莫大な利益をものにするトレーダーもいるでしょう。


申し遅れましたが、これは資金管理に関する話しです。
既に述べたように私は、「追証を食らうような事の、絶対に無いポジションサイズを維持する」といった程度の最小限の資金管理でやってきました。
それが自分に一番合っているからです。

いつでも想定外の状態に見舞われるのがトレーダーという仕事です。
その想定外の状態に見舞われても、簡単には破たんしないポジションの取り方を自分に課す事は、全てのトレーダーに必須だと思います。(大負けを繰り返しても、全然懲りないで負け続けるトレーダーがYoutubeで頑張っていますが、負けから何も学ばないので、まだまだ負け続けると思います。)

資金管理法は、それをトレーダーが自身の資金量や、狙いたい利益、性格やトレードの手法等に合わせて、それぞれ自分で検討し、選び取っていかねばならないと思います。
あらゆる意味で、人それぞれだからです。


いかに繊細、巧妙、技巧的な資金管理法を編み出したとしても、その資金管理法だけで必勝が保証される事だけは絶対にありません。

リスクとリターンは、コインの表と裏であり、リスクを際限無く小さくしながらリターンを大きくする事は不可能なのです。
むしろ数学的には、資金管理を細かくする(=安全策を講じる)ほどマイナス(=利益を少なくする)に傾きます。

例えば、+20Pipsを狙うトレード(損切りも-20Pips)で、+10Pipsを達成した時点で半分を利食い損切りポイントを10Pips引き上げれば、その時点で負けは無くなります。
(簡単の為、スプレッドやスリップは無視します)

これだけの操作で、単純に+20Pipsで利食い-20Pipsで損切りするトレードと比べれば、勝率は

「グン!」

とアップします。
ところがこれは早い話が「浅い利確と深い損切り」の実現に他なりません。
エントリーの判断が等しいトレーダーの場合、長期的に計算すれば、+10Pipsで半分を利食うとトータルの利益幅は小さくなると考えられます。


また、例えば両建てをするトレーダーもいます。

ポジションを取っていて利食うべきかホールドすべきか決断できない状態になった時に、反対向きのポジションも取って、どっちに転んでも「間違いではない」という状態にする事です。

数学的に考えれば両建ては無意味な事です。
むしろスプレッド等を考慮すれば確実にマイナスでしょう。
でも、人間は弱い心を持った存在です。

一旦利食ってしまったポジションを、トレンドの継続が見えたからと言って機械的に再エントリーできるほどタフだとは限らないのです。

強気でホールドしたポジションが、「ストン!」と反対向きに動いてしまった時にがっかりするくらいなら、多少の手数料を支払ってでも「両建て」にしておいた方が、疲れずに済む場合だって少なくは無いのです。


トレーダーは人間であり、勝てば喜び、負ければ凹む存在である事を考えれば、高い勝率をキープでき、「負け無し」の状態で利を伸ばす機会を多く得られるトレードの方が、疲れず、元気にトレードを継続できる可能性を、数学的な理由だけで排除する事はできないのです。

原理的に言って「難平」はお勧めできません。
でも、際限の無い難平は破滅への一本道である事は確かでも、

「撤退も視野に入れた計画的なナンピン」

まで、一様に否定できるものではありません。
ただ「我流」「ちょっと思いついた程度」のノウハウを実弾で試してみて一喜一憂するのは、あまりおススメはできませんが・・・?

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