『一人でやってるのだから、自身で試行錯誤するしかない』
という考え方も、初心者時代の私自身がそうでしたから十分理解できます。
でもこの「試行錯誤するしかない」という考え方は、一見正しそうに思えて、
実はとても危険な落とし穴である可能性が高いのです。
トレーダーが、
現状に満足する事なく、勉強や試行錯誤を続けながら腕を磨いていく
というのは、当然ですが絶対的「正解」です。
でもこれは、収支曲線が右肩上がり、悪くてもトントンが実現できている、既に上級レベルにあるトレーダーが対象である事が見逃されています。
それ以下のレベルのトレーダーが自分で試行錯誤を続けるというのは、とても効率が悪いのです。
既にトータルプラスを実現できており、個々のデイトレの勝ち負けではなく、まとまった期間&まとまった回数のトレード結果全体を見渡して、自己の手法の改善点について考え、仮説と検証を繰り返すのなら何も問題はありません。
まとまった回数の均一な手法によるデイトレを繰り返す事によって訓練されるし、それら全体を見渡しての改善も、訓練の基礎ができた上で行われるのですから、潜在意識にも無理なく受け入れられます。
でもトータル収支がマイナスな状態で、日単位・トレード単位での変更や修正を繰り返す事は、お金と労力と時間等の貴重なリソース(生延びる為の資源)を無駄に、
「消耗」
しているだけ、かも知れないのです。
素人が我流で手法を組み立て、しかもトレード単位でその手法を変えていたら、それは訓練とは呼べないし、従って上達も期待できませんよね?
それでも継続して長く生き残っていられれば、いつかは我流の落とし穴から抜け出せる場合もありますが、もっと短期間で、無駄な労力や資金の消耗を最小限にする方法があります。
「既に勝ち方を知っている人から教えてもらい、それをなぞる」
です。
既に勝ち方を知っている人から教えてもらえば効率が良い事は誰でも知っているでしょう。
直接教わるのが最強ですが、それが無理でも、書籍、動画、セミナー等々、方法はいくつもあります。
でも、
「教えてもらった事を、そのままなぞる」
という事の重要性が理解できている人は、極めて稀と思われます。
誰でも「勝てる手法」には興味深々であり、それさえ知る事ができれば勝てるものと思っています。
でも本当は、
「知るだけで勝てる方法なんて存在しない」
のです。
知るだけで勝てる聖杯は絶対に存在しないのです。
ただし、
「訓練すれば勝てる方法」
なら存在します。
ここで言う「訓練すれば」の訓練とは、一定期間その手法を繰り返し実践し、単なる知識としてではなく、その手法をデイトレの現場で経験し実感し、習熟する必要があります。
勝てる手法は例外なく凡人の本能を逆なでする部分がありますから、本能が拒否反応を示して、ついつい我流を持ち込みたくなります。
でも、それではダメなのです。
我流を持ち込んだ時点で訓練を放棄した事になるのです。
教わった事から自由に脱線していたら、教わった先輩・先生の教えは台無しです。
でもデイトレには「欲」や「恐怖」という、ヒトの理性を縮小・退行させてしまう圧力が強い為に、無意識のうちに脱線してしまいがちなのです。
これこそが、デイトレで勝てるようにならない最大の原因なのです。
繰り返し繰り返し、教わった手法をそのまま実践して、自分の方から手法に馴染(なじ)んでいく姿勢が欠かせないのです。
でも、もしその手法が元々手法として機能しない低レベルのものであれば、せっかくの訓練も水の泡になってしまいます。
その事への恐れが、「試行錯誤しなければならない」という、
「安全(そう)な逃げ道」
へとトレーダーを連れて行ってしまいます。
これが「我流の落とし穴」です。
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