デイトレーダーがひっかかりやすい罠の筆頭として、
「完璧病」
というのがあります。
日常生活の常識では改善を求める事は正しい事であり現状維持に留まるのは、むしろ愚かであるという認識があります。
現状に甘んじる事なく、常に改善点を模索し、更なる高みを求めていくのが、いけない事のはずがありません。
と、みんなが信じ込んでいます。
当然、多くのデイトレーダーも信じ込んでいます。
でもそれが、
「罠 」
なのです。
不安要素など微塵も無く、むしろ石橋の上を鉄板で補強したような、
「 カ・イ・ゼ・ン 」
に、どんな罠が仕掛けられていると言うのでしょうか?
もしあなたのそばに、大学教授、町一番の長老、校長先生、弁護士・・・・
そうした、人から信頼されるべき立場の人がいたら、
「改善って悪い事ですか?」
って質問してみて下さい。
すると必ず、
「なぜそんなバカな事を聞くんだ?」
と、怪訝(けげん)な顔をされるに決まっています。
そうだからこそ、
慎重な、真面目な、熱心な、勤勉な、実直な、真剣な・・・
そういうデイトレーダーほど、この完璧病という落し穴に転落し、出口の見えないトンネルの中を延々と彷徨(さまよ)い続けてまうのです。
さて、ここからが解決編であり謎解きです。
改善が悪い事のはずがないのです。
現状に妥協する事なく、更に改良していく事は間違いなく
「 正しい 」
です。
でも「改善」は一定の枠組み(≒方向性)の中で行われてこその改善」なのです。
例えば、TOYOTAという企業があります。
「KAIZENの代名詞」
ともいえる世界的企業です。
しかし、彼らの改善は常に自動車製造&販売会社としての、
「枠組みの中」
で行われたからこそ、その効果を享受(きょうじゅ)できたという事ができます。
例えば彼らは「世界一の自動車を作る」という目標を掲げた事があるはずです。
でも、
- もっともっと最高速を出せる車===>飛行車
- もっともっと安全な車=======>戦車
- もっともっと曲がれる車======>ゴーカート
なんて事に「改善」を求めたらどうなっていたでしょうか?
(研究した事はあるでしょうが・・・?)
彼らの頭の中には常に、
「(一杯)売れる車を作る」
という、確固たる枠組み(≒方向性)が有ったのです。
この枠組みからはずれる「改善」は、彼らにとってはもはや「改善」とは無関係な事だったはずです。
では、デイトレーダーの枠組みとは何か?
それは言うまでも無く、
「デイトレから、より多くの利益を得る」
という事です。
これでは当たり前すぎてピンとこないと思われるので、別の言葉で表現すると、
「デイトレで、より多くのリスクを、しっかり取る」
という事になります。
今度は「?」ですか? ( ̄ー ̄;∂ポリポリ
「デイトレとは、リスクを取る事によって利益を得る商売である」
という事は、既にこのブログでも何度か解説してきました。
ところが、これをついつい忘れて本能の言いなりになると、
「できるだけ負けない(損失の小さな)デイトレをする事」
に向かって改善を始めてしまいます。
別の言葉でこれを置き換えれば、
「できるだけリスクを取らないでデイトレする方法を模索する」
という事です。
自分を危険や痛みから遠ざける事は、一見「正しい」事に見えて本能にも優しいのですが、だからこその「罠」なのです。
そんな改善は、すればするほど、デイトレの利益を確実に減少させていってしまうのです。
デイトレーダーの枠組みと、この「改善」のベクトルが正反対な事が理解して頂けたでしょうか?
少し込み入った内容になったので、判り難かったとしたら申し訳ありません。
でも今回は、全てのデイトレーダーにとって超重要なポイントの解説なので、何度でも納得できるまで読み返される事をおススメします。
頭の中の交通整理に要する時間など、そこから得られる気づきに比べれば微々たるものであるはずです。
苦労してでも理解する価値が確実にあります。
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