前回の記事が、ムーディーズが意図的に悪事を働いたかのように感じられたとしたら、私の書き方に多少行き過ぎた点があったかもしれません。
アメリカが何年も景気が良くて(実体経済は別として)、住宅は天井知らずに価格が上昇し続け(後から見ればバブル以外の何ものでもありませんが)、金融機関は「証券化の錬金術」に夢中になっている最中に(とにかく急成長しましたから)、最先端の金融工学を駆使して作られた高度なポートフォリオ理論に基づく洗練された低リスク高利回り商品(今なら怪しいにおいがプンプンしてますが、誰もが夢中になっている最中は、多少の欠点も「あばたもえくぼ」にすぎません)に対して、「ノリ」で「AAA」を付けてしまったみたいな事も多分にあるかと思います。
しかし、悪意があったか無かったかなんて、私に言わせればどうでも良いのです。
人様の投資判断に大きな影響を与えずにはおかない世界No.1の格付け企業が、無責任な判断で「AAA」と格付けし、ある日突然「ジャンク(=ゴミ)」に格下げした。
つまり、「格付け」を生業とする企業が行った格付けが、実は全く無意味、無価値であったという事。
そしてこの誤った格付けに対して、当のムーディーズが
「判断を誤ってしまって、ごめんなさい」
と言うのではなく、
「私の格付けは、言わば私見程度のものであり、投資家は、自らの研究に沿った投資をして下さい」
と主張している事です。
だったら、そんな会社「とっとと廃業してしまえ」という事になって当然じゃないですか?
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