たかやんさん
米株をやっているOkaです。
現在、本能から開放されるためのトレーニングをしています。
しかし、初日のトレーニングで4トレード4勝となったのですが、すべて利益の50%へストップロスへ移した後、一番大きな利益が出ているトレードのストップを切り上げてしまい、実質的には裁量での手仕舞いをしてしまいました。
そして、その他のトレードも少しずつ手仕舞い・・・
目の前に一度積み上げられた利益を失うのが怖かったんですね。
心の中で「初日だし、プラスで終わることが重要だな。マーケットも落ち始めてるし・・・」と、勝手に考えてしまいました。
結果は、そのうちの2つがマーケット終了までホールドできたパターンで、ルール通りにやっていれば倍の利益になっていました。
改めて、本能の怖さに気づかされました。
ただ、ストップロスオーダーを確実に入れる事と、それにヒットすることでロスカットになってしまうことは受け入れることができるようになってきました。今までの大負けはすべてそれが原因ですから...
20回連続でルール通りのトレードができるよう、もっとがんばる予定です。
それでは、また。
お体にお気をつけください。
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Oka様、
ブログでも書いた事があると思うのですが、マーケットで優位性のある心理状態とは、
「マーケットさん、損させて下さい」
という状態です。
(例えば5万円の含み益が出ている時に、「マーケットさん、私はこんなに利益はいりませんから、せめて半分はお返ししたいと思いますので、どうか私から取り上げて下さい。」と祈りながら利確を遅らせていると、含み益が10万になったりします。)
逆にちっとも稼げない、たまに稼げても微々たるもので、時々やらかす大損トレードで全てを台無しにしてしまうトレードが、
「マーケットさん、稼げせて下さい。プラスなら1円でもいいです。
逆に1円の損も困ります! 損は死んでも嫌です。」
という状態です。
しかし、人間は稼ぐ為にトレードしている訳ですから、どうしても後者の状態の人がマジョリティ、前者の状態はマイノリティという事になります。
そして、その割合がそのまま狼とブタの割合となっています。
まあ、私のブログを「何度も何度も何度も」読んで頂いているのであれば既にご存じとは思いますが、とにかく自分の心理状態をどうしたら「狼」の状態に近づけていけるか、常に考え続ける価値はあると思います。
たかやん
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この「マーケットさん、損させて下さい」の話は、既に何度か書いた事があると思うのですが、超重要事項であるのと、1回や2回読んだくらいでは理解しにくい事と、このブログを訪問してくれる読者の約60%が「初訪問」という事で、既に理解されている方には申し訳ありませんが、改めて少し書いてみたいと思います。
「マーケットさん、損させて下さい」と念じるなんて、そんなバカな話と鼻で笑った方も少なくないと思います。
確かに、突拍子もないような事です。
でも、よく考えてみて下さい。
トレーダーの多くは
「マーケットよ、金を出せ。俺は1円も出さんぞ!」
みたいな考え方に支配されており、それで稼げれば結構なことなのですが、実際には90%ほどもの人が損ばかりしているのです。
「マーケットよ、金を出せ。俺は1円も出さんぞ!」というのは詰まる所、少しでも含み益が発生すれば直ちに利益確定し、一たび含み損が発生しようものなら、とことんこの損失を確定する事から逃避し続けるトレードに直結しています。
所詮、人間には予知能力など無いので、相場の天底など見抜けるはずもありません。
この点では敏腕トレーダーとブタトレーダーの間に、大して差があるとは思えません。
しかし、敏腕トレーダーは自分の「損得勘定」から距離を置いて、自分の選んだ手法に従った正確なトレードの遂行にのみ集中します。
確率的な優位性が十分検証された方法で淡々とトレードを繰り返すトレーダーの前では、マーケットは素直なATMになります。
常に自分の「損得勘定」に従って金を追い求めるトレーダーの前では、マーケットは常に「トレーダーの敵」であるかのように意地悪く振る舞い続け、無慈悲なばかりに資金を奪い去って行きます。
確かに私だって、心から「マーケットさん、損させてください」と祈っている訳ではありません。
でも、そう考える事の意味と価値は十分理解しており、自分本来の「マーケットよ、金を出せ!」という本能の叫びの中和剤として使う事ができます。
>心の中で「初日だし、プラスで終わることが重要だな。
>マーケットも落ち始めてるし...」と、勝手に考えてしまいました。
こういう判断は、裁量トレードではとても大事なものだと思います。
一概に「悪い事」と考えるのは行き過ぎです。
「1日をプラスで終わらせる」というのは、翌日のトレード収支に大きくかかわる大切な考え方ですし、マーケット全体のトレンドを敏感に感じ取り、これに逆らわないのも、とても大切です。
こういう判断が自在に行えれば、システムトレードが足元にもおよばないパフォーマンスを上げる事も可能となります。
この「自在に」という時の感覚が、「マーケットさん、損させて下さい」という感覚ととても近く感じられるのです。
決してイコールではありませんが、人間の本能と距離を置いた「コントロール」に共通の香りを感じる気がします。
この記事タイトルが「商売の極意」というのは少し大袈裟に感じる方もいらっしゃるでしょうが、そんな事はありません。
「マーケットさん、損させて下さい」というのは、単発の記事ではまとまりきらないほど深い意味を持っているのです。
こうご期待!
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