デイトレとファンダメンタルズ(後編)

会社四季報に載っているような情報、例えばPERやPBR等のいわゆる「ファンダメンタルズ」をデイトレの根拠にするのはナンセンスだと思います。

でも、ファンダメンタルズとは株とか為替等の価格に影響を与える要素の全てを指しているという事が案外意識されていません。

例えば、四季報に載っている決算の数字等は、四季報発売直後ならともかく、何日か経てばもうデイトレの根拠にするには古過ぎます。

でも個別株のデイトレで、取り扱っている銘柄の決算発表が数時間後に控えているとしたら、これを全く無視してポジションを取る事なんてできないはずです。うっかり

「うっかりしていた!」

と言う事は有り得ますが、意識的に無視するなんて、かなり異常だと思います。


デイトレは稼ぐ事を目的にしているのであって、テクニカル分析に専念する為にやっている人など一人もいないはずです。
古い情報を重視しすぎるのはナンセンスですが、新しい情報で軽視すべきでない事は結構あるものです。

企業の決算発表以外にも、政府や日銀が発表する情報で、株価にも影響を与えうるものなら、事前にタイミングをチェックし、危険は回避し、チャンスはものにすべきです。


何らかの発表が予定されている事を知っていて、

「大きく動く可能性はあるが、上下どちらに動くのかが判らない。」

という場合であれば、ポジションを持たないでその瞬間をやり過ごす事だって立派な作戦です。

大地震とか、隣国のミサイルが日本に着弾したとか、鉄道が脱線転覆事故を起こしたとか、旅客機が墜落したとか、米国の雇用統計とか、欧州のどこかの国が破産宣言したとか・・・・

ある日、ある時以前には「未知」であった事が「既知」に変わる時、株でも先物でも為替でも、大きく動く場合が少なからずあります。

その全てに神経を使う事は到底不可能ですが、自分のトレードと関係があると予め判っているものについては、それをどう自分のトレードに取り入れるか、或は無視するのかについて、事前によく考えておく事も、トレーダーとして、とても重要だと思います。


もしかしてあなたは、

「ファンダメンタルズ=中・長期的な視点」

という先入観をお持ちではありませんか?

「この株はファンダメンタルズが良好なので買いだ」

とか言いますものね?

それはそれで当然間違ってはいないのですが、それがファンダメンタルズの全てではなく

「ある日時までは誰も確証が持てず、その日時を境にして誰もが知るところとなる何らかの出来事や情報」

もまた、株価や為替に強烈なインパクトを与えるファンダメンタルズになり得る事を、今後はぜひ意識してみて下さい。

「デイトレとファンダメンタルズ(前編)」を読む。

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