デイトレというと、ザラ場でチャンスの発生しそうな銘柄を探しまわったり、その場その場で考え、状況を読みながらエントリーとエグジットを重ねていくようなイメージがあるかも知れませんが、それは(少なくとも、私の理解においては)誤解です。
私のイメージするデイトレとは、大雑把な数字ですが、
・予習(復習を含む)60%
・当日の待ち伏せ(監視)25%
・注文執行能力15%
という配分です。(※これは、あくまでも個別株のノウハウであり、FXは別物としてご理解下さい。)
「思考が無い」と言えば嘘になりますが、極力「条件反射」的に売買を完結できる事を理想とします。
パブロフの犬
をご存じの方も多いと思います。
犬にエサを与える直前にベルを鳴らす事を習慣化させると、エサが無くてもベルを鳴らすだけで犬がヨダレを垂らす事を指し、生物の条件反射の典型例として有名です。
デイトレにおいても、探したり、比較したり、思考したりするのではなく、前日の予習でピックアップしたチャンス銘柄が、当日の値動きによってテクニカル分析的な売買サインを出す時、条件反射的に(思考を経由せずに)売買注文を出せる事を理想とします。
当然、デイトレは犬のヨダレより遥かに複雑な行為ですから、完全に条件反射的に売買を完結させる事は不可能でしょう。
しかし、デイトレの理想を条件反射に求め、極力思考に頼らないトレードを心がける事には、ヘタに頭を使うよりも明白な優位性があります。
ちょっと荒唐無稽な話に聞こえるかもしれませんが、毎日2時間以上、200銘柄以上のチャートをとニラメッコし、支持線・抵抗線、トレンドライン、チャネル、ペナント、フラッグ等のテクニカルパターンを予習し、翌日それがどうなったかを復習していけば、3ヶ月後には、そう無茶な話でもない事が体験的に実感できてくるはずです。
考えてみれば、どんな職業においても、プロフェッショナルのレベルが高いほど、余計な思考が省けている、と言えるのではないでしょうか?
例えば「思考の権化」みたいなプロ棋士の世界においてさえ、思考に頼るのではなく、直感的に手が見える(瞬間的に数十手先の詰みが見える、みたいな)、つまりパターン認識力が「強さ」の源泉であったりします。
あなたのデイトレのスタイルを規定するつもりはサラサラありませんが、
「頑張っているのに、なかなか勝てない」
と嘆くのなら、まずはテクニカル分析能力を「秒速レベル」にまで鍛え上げ、そして次に、売買判断を「できるだけ考えない」でもできる方向に持っていくように心がけてみて下さい。
デイトレーダーは、無駄に考え過ぎていると、私は思います。
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