一口に「テクニカル分析」とか「トレンド把握」とか言っても、実に広範囲であり、取り上げるべき項目も多種多様です。
なのでとても迷ったのですが、今回は、
「自分がトレードしている時間枠よりも上位の時間枠のチャートをチェックする!」
という事からお話しする事にしました。
ある程度の経験を積んだトレーダーにとってこれは、
「常識」
なのですが、この点から解説しているテクニカル分析に関する書籍等の記憶が無いのと、実際にこの事を全く意識しないでトレードしている方がかなり多い事に、日頃から気づいているからです。
テクニカル分析に関する殆ど全ての知識を持っていても、自分のトレードしている時間枠のチャート一種類しか見ていなければ、その知識を本当に活かす事はできません。
例えば5分足チャートを主戦場としてトレードしているのであれば30分足、60分足、それと日足くらいは、予めチェックしておきたいものです。
そして、少なくとも30分足と60分足くらいは、同時に見る事ができるようにチャートの設定をされておかれる事をおススメします。
もし1分足チャートを主戦場としているのなら、これに5分足や1時間足を加えるべきでしょう。
また、日足を主戦場にしているスイング・トレーダーなら、週足、月足のチェックが欠かせないはずです。
なぜ上位時間枠のチャートを見る必用が有るかというと、例えば自分が主戦場にしている時間枠のチャートが買いエントリーのチャンスを示していても、それが本当に買いのチャンスなのか、実は見送るべきものなのかの判断は、上位時間枠のチャートを見る事によって(容易に)可能となる場合が多いからです。
例えば、
はドル円の1分足であり、明らかな上昇傾向にあり、上値抵抗線をブレイクしたようにも見えるし、しかも少し押し目になっていて、いかにも今買ったら稼げそうなチャートになっています。
が、同じタイミングで、同じドル円の30分足に目を移せば、
と、大勢は下落トレンドの最中であり、現状は横這い、しかもすぐ上には抵抗線が見えていて、今は買いエントリーすべきではない事が一目瞭然となります。
大勢の判断には事足りてしまうのです。
かといって、1分足チャートを見るのを止めて、30分足チャートを専門に見れば良いかというと、そんな事はありません。
地図には、様々な縮尺があります。
世界地図を見るのにふさわしい縮尺と、日本の都道府県を見るのにふさわしい縮尺と、知らない街を調べるのにふさわしい縮尺とは別々なのが当たり前であって
「広範囲が見られるから他は要らない」
とか、
「詳しく見られるから他は要らない」
という事はありません。
見たい対象によって、地図の場合は縮尺を変え、チャートの場合は、時間枠を変える必要があるのです。
どの時間枠を自分の主戦場とするかは、最終的にはトレーダー毎に自分で選択すべき事です。
でも、どの時間枠を選ぶにせよ、日々、それより上位の時間枠のチャートにも目を通すようにして下さい。
それが直接トレードに優位性をもたらす事になりますし、同時に、同じ対象(銘柄、通貨ペア等)を、異なる時間枠から毎日繰り返し見る事で、テクニカル分析の基礎体力が脳の中に養われていきます。
自転車の乗り方が、実際に自転車に乗って訓練しないと呑みこめないのと同じです。
プラス収支のテクニカル・トレーダーは、
「全員!」
これをやっていると考えて頂いて間違いないはずです。
次回「トレンドについて語ろう(4)」に続きます。
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