2005年4月25日、JR福知山線脱線事故がありました。
私はその日もテレビをつけながらデイトレしていたので、かなり早いタイミングでこの事故の事を知りました。
確か第一報は午前10時くらいだったと思います。
そして、前場が引けるかなり前には、現場の映像がヘリコプターからのカメラ等で映し出されていました。
映像があるだけで、死傷者の数等は前場中には報道がなかったように記憶しています。
でも、映像を見ただけで、死者が一人や二人の事故で無い事は容易に察しがつきました。(この時30人以上に昇ると私は推測しましたが、実際には100人以上の方が犠牲となりました。)
脱線車両がペッタリとマンションに貼り付けられたようになってましたから。(まさか写真のマンションの中に、もう1車両が完全に呑み込まれていようとは。テレビでその事を報道し出すのも、午後かなり時間が経ってからだったと記憶しています。)
でも、まだ死者数がはっきりわからない事もあって、前場ではそんなにJR西日本の株が急落している訳ではありませんでした。
その時、一応日足をチェックしてみたのを憶えています。
日足チャートは、この事故が無くても「売り」である事を示していました。
当然「売り」を仕掛けるなら、前場引け前です。
結局、死者が出るような事故に便乗して儲ける訳にはいかないという事でエントリーには至りませんでした。(空売り可能かのチェックもしてません。)別にデイトレなので、そんな事を考えなくても良いという考えもありましたが、「そこまでして稼ぎたくない」という気持ちが強くありました。
そしてその日の午後、次第に事故の重大性が明らかになってきました。
それにつれ、株価もゆっくりと下がりだしました。
前場で仕掛けて、大引けで手仕舞っても、それなりの利益は出たはずです。
でも、状況からは「まだまだ下がる」としか考えられない状況でした。
更に翌日からは、事故の大きさは勿論、JR西日本の体質的な問題まで出るは出るは、袋叩き状態となり、見事な下げ相場となりました。
このケースは、テクニカル的な優位性に、ファンダメンタルというかリアルタイムの要因が重なって大きな利益を(仕掛ければ)得られる場面ではありました。
これほど解りやすいケースはそうそう無いものの、その後も時々ですが、低リスクのトレードチャンスを目撃してきました。
私はあまりニュースをデイトレの為に注目して見ている方ではありませんが、そのつもりで見ていれば、もっと一杯あると思います。
私が言いたいのは、どんな種類のチャンスに遭遇しても、決して全力投球などせず、ただ毎日行っているデイトレの一つとして、淡々と、しかし決断は誰よりも早く行う事の大事さです。
トレーダーだって同じです。
リスクマネーを投じているのですから、損したってどこに文句が言えるわけではないと同時に、思惑が当たったときに報酬を得るのは至極当然の事だと思います。(人の生死に関わらずとも、自分が儲ければ誰かが損し、その逆も常に起こっているのがマーケットです。)
ほぼ確実とも思える勝機を見送ったのは、どういう理由があったとはいえ、プロとしては「甘い」と言われても仕方ないと思います。(どうしても嫌悪感をぬぐえない方に無理にお奨めするつもりも、毛頭ありませんが。)
余談ですが、鉄道や航空機関係等で一つ問題があると、例えその問題・事故単体の被害が小さなものであっても、結果的には遥かに大きなダメージがその企業や業界を襲う事になる確率が高いです。
なぜなら、
「火の無いところに煙は立たない」
と言いますが、一つの事故が起こる背景には、それが必然である理由が隠されている場合が多く、一つの事故をきっかけとして、その火種をマスコミが徹底的にホジクリ返すからです(悪い意味ばかりでなく)。
交通関係だけではありません。
「耐震偽装」なんてのもありました。
最初は一つのマンション、一つの建設会社とか、狭い範囲のニュースとして報道されますが、それが業界が抱えている「病巣」だったりすると、どんどん穿り返され、波及して行きます。
「デイトレと予測(4)」記事を書くつもりが、まるで脱線(洒落じゃなく)した内容となったので、「ボツ」にしようかとも思いましたが、まあこういう内容もたまにはどうですか?という事でアップしてみます。
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