トレードで、負けてる人に無くて、勝ってる人に有るものを突き詰めて考えてみると、それは、
『(事前の)撤退戦略』
に行きつきます。
エントリーする時は、上級者でも初心者でも、上がると思うから買いで、下がると思うから売りでエントリーする事に違いはありません。
でもエントリーの瞬間に考えている内容は、トレーダーのレベルによって大きく違っています。
例えば「買い」でエントリーした場合、ブタトレーダーは上がる事に期待し、下がる事は想定外です。
だから想定外の事が起こると、トレーダーとしての判断機能は停止し、ひたすら戻る事に期待して、祈りながら粘ります。
「祈りながら粘る」という行為は、つまりは「放置」であり、戻ればラッキーですが、戻らなければ、どんどん傷口が広がっていくばかりです。
たまたま運よく値が戻った場合には、
「粘って、得した!」
と思うだけで、無策のまま損失を膨らませた反省は微塵もありません。
逆に、祈り空しく更に損失が拡大した場合、益々損切が難くなり、大引けでもホールドという選択になりがちであり、こうなるともう完全に下げトレンドの中にいるので、高い確率で翌朝もギャップダウンになります。
利小損大、典型的な負けパターンです。
一方、勝ち方が解っているトレーダーとは
「負ける場合も完全に想定の範囲内に入っているトレーダー」
と言い換える事ができます。
狼トレーダーであれば、エントリーして約定した数秒後に損切りする事さえ視野に入れています。
エントリーしてすぐに順方向に動く場合もあれば、逆方向に動く事もあり、その両方の可能性を公平に、しかも事前に考慮しています。
例えば・・・
前日長い陽線で、多くの人の注目が集まり、当日朝もギャップアップ。
寄り付きと同時に1分足が陽線で始まる。
この時、ブタトレーダーも狼トレーダーも「買い」でエントリーしたとします。
それから更に上昇したものの、すぐに下落に転じ30秒後には始め値を割り込む。
客観的に分析すれば、買いポジションがあれば手仕舞いして当然のポイントです。
でもここで迷わず切れるか、びっくりして模様眺めになってしまうかが、狼とブタの分かれ目となります。
そしてそのまま、どんどん傷は深まっていってしまいます。
ポジションの無い時に、チャートを見て、
「ここで買い」
「ここで売り」
みたいな、のんびりした検証と、実トレードでリアルタイムの値動きに応じて適切な売買判断ができる事の間には、大きな違いがあります。
というか、
「リアルタイムの値動きに応じて、適切な売買判断」
は「不可能」くらいに考えて、予め値が順方向に値が動く場合だけでなく、逆方向に値が動く事まで頭の中でシミュレーションしておき、どうなった場合に手仕舞いするかが具体的にイメージできてからエントリーするほどの周到さが狼トレーダーには求められます。
これは、単にテクニカル分析を学ぶ事等に比べて格段に難易度の高い事です。(本当は簡単な事なのですが、欲に目がくらんだブタには非常に難しいのです。)
が、損小利大のトレードを重ねていく為には、欠かせない思考法でありスキルになります。
これが必要なのは、これまでにも読んだり聞いたりした事があるはずです。
でも、エントリーして直後にそれを行う事態まで含めて想定できているトレーダーは極めて少ないと考えられます。
でもそれは、分足レベルでトレードするなら絶対に、
「必要!」
なのです。
エントリーする前に、少なくともどこで損切りするかを決めておき、エントリー注文と同時に反対売買の体勢を整える事を習慣化される事を強くお勧め致します。
これができれば、もうブタトレーダーではありません。
これを土台にして初めて、手法やテクニカル分析のスキルが活かせるようになります。
まだ出来ていないと思われるのなら、どうすれば実現できるか真剣に考えてみて下さい。
難しいけど簡単です。
トレードで勝つ事に『本気』になれば良いだけです。
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