今みたいに、ネットでトレードができるようになる前の時代の、達人の自伝といったような本を数多く読んできました。
「見切り千両」とか「利は伸ばせ」のように、現代のデイトレでもそのまま参考になる部分も多いのですが、違和感のある部分もあります。
その違和感の最たるものが「運」です。
昔の達人達は、ほぼ共通して「運」を、とても重視するのです。
一方、私は日ごろから「運」の良し悪しを無視するようにしています。
この違いの理由を、あなたらならどう考えますか?
私の答えはとても簡単です。
要するに、トレードスタイルの違いです。
昔から「日計り(=デイトレ)」はあったものの、自伝とか伝記を残されるような達人の殆どは「スイングトレード」です。
リアルタイムの板やチャートが駆使できない時代であれば、これも自然な事だと思います。
(手数料だって、今ほど恵まれた時代はありません。)
スイングといっても、2~3日の短期トレードではありません。
最低でも数週間、通常は数ヶ月から数年に渡るスイングです。
チャンスは年に「数回!」みたいなトレードです。
いわゆる「大相場を掴む」みたいなトレードですね。
こうしたトレードでも、テクニカル分析は有効かもしれませんが、それより「読み」の方が大事な気がします。
現在手にはいる情報から、未来の「大相場」に乗る為の「読み」、「予測」と言っても良いでしょう。
凡人にはできそうもない深い読みと、その読みに大金を張れる勇気。
これが両方できて、初めて「達人」と呼ばれるような大物になれます。
でも、どんなに「達人」であっても、未来を完ぺきに予知できる訳ではないので、やっぱり「勝ったり、負けたり」する訳ですが、年に何十回も大相場がある訳もなく、結局「運」が大きなウェイトを占める事になるのです。
物凄い達人と誰からも認められるような人でも、3連敗するだけで、それまでの相場生活で築いた資産を全て失った上に借金生活に陥る事もあれば、「たまたま」みたいなトレードでも、ちょっと連勝できれば、何億円にもなるのが「大相場を掴む」トレードです。
一方デイトレでは、1日で5トレードくらい、どうって事ありませんよね?
仮に1日3トレードでも、月に60トレード。
年間なら、700トレードを超えます。
こうなってくると、もう「運」なんて殆ど意味がありません。
確かに「運に見放された」みたいな酷い日があったりもしますが、やっぱり「週末にはプラスになっている」、それがデイトレです。
どんなに「運」に見放されたって、そうそう大幅なマイナス収支なんて、めったにありませんし、あったとしても日々のトレードで挽回可能です。
問題は、勝率ではなくて1トレード毎の期待値です。(勝率ではありません)
1トレードの期待値が1以上であれば、トレードをやればやるほど、利益が積み重なっていくのは目に見えています。
期待値が1以下であれば、単に優位性のあるトレードができていないだけの事ですから、問題点を改善し続ければ、必ず克服できます。
だれでも、自力で克服できるのです。
デイトレで「運」を重視しても意味がありません。
デイトレでは読みすら必要ありません。
1トレード単位での勝ち負けは、問題ではないからです。
問題は、10トレードやれば、結局資金が増えるような「優位性」のあるトレードができているかどうか、ただそれだけです。
「それが、難しいんじゃないか!(`m´#)」
そういう声が聞こえてきそうですが、じゃああなたは、あなたのトレード毎の期待値を把握していますか?
いつも、優位性のあるエントリーとエグジットを繰り返していると言えますか?
エントリーした後で、エントリーの正当性を支持してくれるような掲示板の書き込みを探したりしてませんか?
勝ちトレードではしゃぎ、負けトレードで落ち込んでませんか?
もしあなたが「運」とか「予測」とかに拘っているなら、あなたはまだデイトレの入り口にすら立ってはいないのです。
単に毎日ポジションをとって、クローズさせて興奮しているだけです。
あなたは、今回の記事の意味が理解できたでしょうか?
「よくわからなかった」という方は、もう少し私のブログを読むとか、いろいろ勉強する必要があるでしょう。
(質問があれば、いつでもどうぞ)
「よく解ったけど、収支はマイナス ( ̄д ̄)」という方。
簡単です。
次のトレードから、本気を出して下さい。
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