基本を守るとは?(4)

初歩の初歩と言える内容ですので、MAの知識の確認用にお読み下さい。

  • MA(=Moving Average=移動平均線)は、トレンドを把握する為の指標です。
  • MAのカーブが右肩上がりなら上昇トレンド。
  • MAのカーブが右肩下がりなら下落トレンド。
  • 上昇トレンドを描くMAより株価が上にある時、上昇トレンドは現在も継続中。
  • 下落トレンドを描くMAより株価が下にある時、下落トレンドは現在も継続中。
  • 上昇トレンドのMAの上側で「買う」行為はトレンドに乗る行為、「売る」行為はトレンドに逆らう行為です。
  • 下落トレンドのMAの下側で「売る」行為はトレンドに乗る行為、「買う」行為はトレンドに逆らう行為です。
  • 5MAは短期トレンドの判定に、21MAは中期トレンドの判定に適します。
  • 株価が5MAと21MAの両方の上にある時、短期トレーダーも、中期トレーダーも共に、現在株価は上昇トレンドにあると判断します。

MAに関して覚えておくべきは、

株価とMAは、互いに接近すると磁石のS極同士が反発する事に似た斥力(せきりょく)が働き、逆に離れすぎると引力が働く。

という性質があるという事です。

テクニカルの基本的認識としては、例えば上昇トレンドの5MAの上で「買い」エントリーした場合、意に反して株価が下ってきても、5MA近辺が支持線となって反発する事に期待できます。
逆に、もし5MAの上で「売り」エントリーした場合は、期待通り株価が下がってきても、5MA近辺が下値支持線となって反発する可能性があり、大きな利幅が期待できません。それどころか、トレンドに反しているのですから踏み上げにあうリスクが高いエントリーと言えます。
デイトレの技法、トレンドと株価の推移
(あんまり良い例ではないのですが、株価がMAにサポートされながらトレンドを継続しているのが見てとれます。)


であるならば、MAの上でさえ買っていれば「負けなし」なのかというと、残念ながらそうはいきません。
なぜなら「買った」時にはトレンドに乗っているつもりでも、トレンドがいつ何時方向転換をするのかは、株価操縦ができる仕手やインサイダーででもない限り正確な事はわからないからです。
現在のトレンドが続くのか、或いはもうすぐ終わるのか?
それを100%予測する方法は無いと理解して下さい。

100%どころか、50%を少しでも超えられれば大したものなのです。
だって、人間には予知能力など無いのですから。
しかし、その程度にしか未来が見えなくとも、トレンドにできるだけ長く乗り続け、いざトレンドが逆転し始めたと判断すれば素早く脱出する術を身につける事によって、勝ったり負けたりしながらも、トータルでは安定してプラスの収支を得る事が可能になります。


株価とMAが近づくと斥力が働く一方で、離れ過ぎると今度は引力が発生します。
トレンドが強いほど、MAと株価との距離が長くなりますが、永遠に続くトレンドなど無い為、離れすぎた距離は、いずれは訂正される運命にあります。
しかしそのタイミングも、事前に予想するのには限界があります。
その限界を推定する指標として、移動平均かい離率という指標があります。
デイトレの技法、移動平均乖離率(21MAに対する移動平均乖離率を表示しました。どんなに勢いのあるトレンドでも、MAから離れ過ぎると引き戻される運命が待っています。)

移動平均乖離率は、それだけでもノウハウとして成立するような利用法もあるのですが、私はあまり使っていません。
RSIなどと同じで、乖離の程度を指示してはくれるものの、タイミングの判断材料としては時系列的な要素に欠けるところがあるからです。
そこで、私は5MAとボリンジャーバンドを併用しています。
デイトレの技法、トレンドと株価の推移
(見やすさの為に、ここでは5MAを非表示にしてます。)

ボリンジャーバンドで±3σを突き抜ければ21MAとの乖離しすぎと判断する等、利確の判断材料としては単独では利用できないものの、その銘柄の過去の推移から近未来の状態推測まで、かなり多くの情報を与えてくれます。
更に、この記事では書ききれませんが、バンドの拡張と収縮、±1σ、±2σ、±3σと株価の関係等はトレンドの判定は勿論、エントリーやエグジットの判断材料として大変重宝します。


ちょっと脱線してしまいました。
移動平均の上で買い、下で売るという事のどこに「トレードの基礎」というべきほどの優位性があるのか、今度はあなた自身で多くのチャートを見る事で確認してみて下さい。
これは自分で汗して納得する事に価値があり、用意されたチャートを見て「ふ~ん」と言ってるだけでは決して身に付きません。

重ねて言いますが、これはエントリー時に誤った方向に仕掛けない為のフィルターにすぎず、いざ実際に買いエントリーするポイント、売りエントリーするポイントを特定するものではありませんが、「トレンドを友」とするエントリーに徹する事が、デイトレの収支に貢献するのみならず、デイトレーダーの精神安定にも寄与する事に疑いの余地はありません。
であるからこその基本中の基本として私は理解しています。

さて、次回は「長期は短期に優先する?」の巻きです。
今回楽しんで頂けた方限定で、お楽しみに。

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4 件のコメント

  •        ,,○○;,、  ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・・・・・
         ハ,,,ハ(^(ェ)^ )⌒ヽ
        /〃 `””””'(ノ”””ヽ_)”’ヽたて続けのコーシン  
      /  ‘           l~  ありがとクマす          
      (OO)∧  とれんどノシシ |  ちゃーと    
       `’ー、           丿 検証 しつつ読み返してるクマ 
          /丿\ヽ ̄/ ノ\ (_.    
          Ll    ̄ Ll   `ー‐┘  

  • たかやんさん、おはようございます。
    今回のシリーズ、いつにも増して共感し、自信になりました。
    >自分で汗して納得する事に価値があり、用意されたチャートを見て「ふ~ん」と言ってるだけでは決して身に付きません。
    本当に、その通りだと思います。
    実は最近、とあるキッカケからボリンジャーバンドのお勉強を始めています。
    私の場合は、±1σ、±2σの範囲で、今のところやっていますが、これもタイミングがピッタリで、怖いくらいです。
    今日は先物日足が5MAにぶつかったあたりで売りに入って、エントリーはおしまい。
    今はちょうど前日比±0あたりにあるちょっと長期のMAとの戦いをチラチラ見ながら、コメントを書いています。
    まぁなるようにしか、なりません。
    次のシリーズも楽しみにしています。
    では。

  • いつも楽しみに拝見しております。
    MAの本数について教えてください。
    日足で一般的な組み合わせは5MAと25MAだと思いますが、21MAを使用されているのはなぜですか?一目均衡と関係しますか?

  • まず最初に断っておきますが、どこの誰がMAをどう使っているかという情報に大して価値があるとは思えません。
    もし5MAと25MAが一般的と思うなら、それで十分ですし、それをいろいろ変えたり足したり引いたり工夫していく中から自分に一番しっくりくる組み合わせが見つけられれば、それは「誰がどう使っている?」よりもずっと価値のある事です。
    さて、私はずっと5MAと20MAを使っていました。
    5MAとは1週間(5営業日)の値動きの平均であり、20MAとは1ヶ月(20営業日)の平均だからです。
    25MAというのはおそらく50MAや100MA等のグループで考えた時にしっくりくるからだと思いますが、25MAを使った事はありません。
    (でも、50MAや100MAは使った事があります。)
    21というのは、ボリンジャーバンドの基準線のデフォルトとして採用されている事が多い数字です。
    21という数字の根拠は知りません。
    基準線を21期間としたボリンジャーバンドを多用し、そういう意味では毎日21MAを見続けていますが、21MA単体で重視した記憶はありません。
    (20MAと21MAは違うと言えば違うのですが、私の感覚でいうと「どっちでも、殆ど同じ」です。この差異に何かマーケットの秘宝が隠されているという事は無いと思われます。)
    一目については過去に勉強した事もありましたが、結局ものにできず殆ど使わなくなっていました。
    でもスパンモデルを読んでからは、FXでは常に表示させています。
    株の分足に一目を表示させても、データがブツ切りになっているので一目の真価は見えてきません。
    一目が生かせるのは、株なら日足(そして週足、月足)だと思います。
    でもFXだと、5分足を始め様々な時間枠で一目が大活躍です。
    パラメーターの設定はスパンモデルに従っています。
    ボリンジャーバンドと一目を同時に表示させる事は無いし(=見にくいだけだから)、パラメーターの共通点などで意識した事もありません。

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