初歩の初歩と言える内容ですので、MAの知識の確認用にお読み下さい。
- MA(=Moving Average=移動平均線)は、トレンドを把握する為の指標です。
- MAのカーブが右肩上がりなら上昇トレンド。
- MAのカーブが右肩下がりなら下落トレンド。
- 上昇トレンドを描くMAより株価が上にある時、上昇トレンドは現在も継続中。
- 下落トレンドを描くMAより株価が下にある時、下落トレンドは現在も継続中。
- 上昇トレンドのMAの上側で「買う」行為はトレンドに乗る行為、「売る」行為はトレンドに逆らう行為です。
- 下落トレンドのMAの下側で「売る」行為はトレンドに乗る行為、「買う」行為はトレンドに逆らう行為です。
- 5MAは短期トレンドの判定に、21MAは中期トレンドの判定に適します。
- 株価が5MAと21MAの両方の上にある時、短期トレーダーも、中期トレーダーも共に、現在株価は上昇トレンドにあると判断します。
MAに関して覚えておくべきは、
という性質があるという事です。
テクニカルの基本的認識としては、例えば上昇トレンドの5MAの上で「買い」エントリーした場合、意に反して株価が下ってきても、5MA近辺が支持線となって反発する事に期待できます。
逆に、もし5MAの上で「売り」エントリーした場合は、期待通り株価が下がってきても、5MA近辺が下値支持線となって反発する可能性があり、大きな利幅が期待できません。それどころか、トレンドに反しているのですから踏み上げにあうリスクが高いエントリーと言えます。
(あんまり良い例ではないのですが、株価がMAにサポートされながらトレンドを継続しているのが見てとれます。)
であるならば、MAの上でさえ買っていれば「負けなし」なのかというと、残念ながらそうはいきません。
なぜなら「買った」時にはトレンドに乗っているつもりでも、トレンドがいつ何時方向転換をするのかは、株価操縦ができる仕手やインサイダーででもない限り正確な事はわからないからです。
現在のトレンドが続くのか、或いはもうすぐ終わるのか?
それを100%予測する方法は無いと理解して下さい。
100%どころか、50%を少しでも超えられれば大したものなのです。
だって、人間には予知能力など無いのですから。
しかし、その程度にしか未来が見えなくとも、トレンドにできるだけ長く乗り続け、いざトレンドが逆転し始めたと判断すれば素早く脱出する術を身につける事によって、勝ったり負けたりしながらも、トータルでは安定してプラスの収支を得る事が可能になります。
株価とMAが近づくと斥力が働く一方で、離れ過ぎると今度は引力が発生します。
トレンドが強いほど、MAと株価との距離が長くなりますが、永遠に続くトレンドなど無い為、離れすぎた距離は、いずれは訂正される運命にあります。
しかしそのタイミングも、事前に予想するのには限界があります。
その限界を推定する指標として、移動平均かい離率という指標があります。
(21MAに対する移動平均乖離率を表示しました。どんなに勢いのあるトレンドでも、MAから離れ過ぎると引き戻される運命が待っています。)
移動平均乖離率は、それだけでもノウハウとして成立するような利用法もあるのですが、私はあまり使っていません。
RSIなどと同じで、乖離の程度を指示してはくれるものの、タイミングの判断材料としては時系列的な要素に欠けるところがあるからです。
そこで、私は5MAとボリンジャーバンドを併用しています。
(見やすさの為に、ここでは5MAを非表示にしてます。)
ボリンジャーバンドで±3σを突き抜ければ21MAとの乖離しすぎと判断する等、利確の判断材料としては単独では利用できないものの、その銘柄の過去の推移から近未来の状態推測まで、かなり多くの情報を与えてくれます。
更に、この記事では書ききれませんが、バンドの拡張と収縮、±1σ、±2σ、±3σと株価の関係等はトレンドの判定は勿論、エントリーやエグジットの判断材料として大変重宝します。
ちょっと脱線してしまいました。
移動平均の上で買い、下で売るという事のどこに「トレードの基礎」というべきほどの優位性があるのか、今度はあなた自身で多くのチャートを見る事で確認してみて下さい。
これは自分で汗して納得する事に価値があり、用意されたチャートを見て「ふ~ん」と言ってるだけでは決して身に付きません。
重ねて言いますが、これはエントリー時に誤った方向に仕掛けない為のフィルターにすぎず、いざ実際に買いエントリーするポイント、売りエントリーするポイントを特定するものではありませんが、「トレンドを友」とするエントリーに徹する事が、デイトレの収支に貢献するのみならず、デイトレーダーの精神安定にも寄与する事に疑いの余地はありません。
であるからこその基本中の基本として私は理解しています。
さて、次回は「長期は短期に優先する?」の巻きです。
今回楽しんで頂けた方限定で、お楽しみに。
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