二十年ほども昔のある日の事、私は突然、
「ゴルフをやろう!」
と思いつきました。
当時は会社員でしたから、ゴルフを趣味にしている人を見つけるのは簡単でしたが、
「教えて下さい」
とお願いするほど親しくて、且つ、ゴルフが趣味の同僚はいなかったので自習する事にしました。
あっという間に、自室はゴルフ関係の雑誌や書籍だらけになりました。
打ちっぱなしにも足げく通いました。
運動神経はまあまあと自覚していますし筋力もある方なので、半年後には素晴らしく飛ぶボールが打てるようになっていました。
ショットの安定性(≒方向性)はメチャクチャでしたが、まだ初心者だったので、
もっと沢山ボールを打ち続ければ、そのうち安定してくるだろう
と呑気に思っていました。
それから1年後。
殆ど毎日のように練習を続けてきたにもかかわらず、ショットの安定性は1年前から殆ど改善されていませんでした。
ちゃんと参考書も無数に読み、それらの良いところだけを取り入れて、練習も人一倍しているつもりなのにボールの行先は、
ボールに聞いてくれ!
という、酷いありさまです。
ちょっと自信を失いかけていたある日のこと、いつものように打ちっぱなしで練習していると、レッスンプロが初心者にレッスンしているのが目に入りました。
何度も見ていた光景でしたが、それまでは全くの無関心でした。
でもその時は、
「もしかして、効果あるのかな?」
と思ったのです。
そこで、練習が終わって料金を支払う時に、打ちっぱなしの従業員の人にレッスンの受け方を教えてもらい、その場で予約を入れたのです。
数日後、私はレッスンプロのチェックの目が光る前でボールを打っていました。
その結果、私のグリップの形に問題があると診断され、正しいクラブの握り方を教わりました。
それまでと全く違う感覚なので、強烈な違和感がありました。
でも、教わったのは趣味でやってる人ではなくて、「レッスン・プロ」でしたので、違和感を我慢して自分の方がそのグリップに合わせる事にしました。
そしてわずか一ヶ月後、私のショットの安定性は劇的に改善していました。
殆ど直角といって良いほどギュイーンと曲がっていたドライバーも、かなりの確率で素直に真っ直ぐ飛ぶようになっていました。
参考書や雑誌を沢山読んでいたので、グリップも「ほぼ」それに従い、多少「個性的」な部分があるにせよ、それは大した問題ではないと勝手に思い込んでいたのです。
ところが実際は、ほんの少しの手首の角度が我流だった為に、全ての上達の芽がつぶされていました。
その時支払ったレッスン料がいくらだったかは忘れましたが、たった1回、1時間の割には高いと感じる額なものの、そのコストパフォーマンスには大満足でした。
というか、我流でひたすら練習していた自分が、いかに時間とお金とエネルギーを無駄にしていたか思い知らされました。
次回「デイトレの訓練」に続きます。
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