「上ると思うから買う」「下がると思うから売る」、トレードをする以上あたりまえの事であり、ここに「予測」がある事は否定できません。
でも、デイトレで勝ち続けたければ、この「予測」にはある種の節度というか、客観性が必要だと考えています。
ちょうどNHKの9時のニュースで、
「6年ぶりに、日経平均が18000円台を終値で上回った。」
という報道をしていました。
そして、3人のエコノミストが、それぞれ今後の予測をコメントしていました。
記事を書きながらでしたので、全然いい加減な記憶しかありませんが、年内の予測価格について、
Aエコノミスト「15000円~16000円」
Bエコノミスト「20000円弱」
Cエコノミスト「22000円以上」
みたいな事を言っている訳です。
NHKが選んでコメントを取るのですから、これら3人は日本の金融業界である程度の権威者なのは間違いないでしょう。
で、この3人の見解から、何が得られるでしょうか?
結局、何もわからない訳です。
今年の年末になったら、誰かが一番言い当てていたという結果はでるでしょうが、
「下手な鉄砲・・・」
の可能性の方が高いのです。
相場の予測とは、専門家にしてこの程度なのです。
ましてや、圧倒的に情報量の少ない個人トレーダーが予測してみたところで、それがどの程度の信頼性を持ちうるでしょうか?
この例は、デイトレに比べると遥かに長期スパンの予測ですが、「人間には予知能力が無い」という点においては、長期・短期で変わりありません。 (「長期ほど予測が難しく、短期ほど簡単」と思われがちですが、そうとは限りません。「長期ほど曖昧さが許容され、短期ほど正確さが求められる」からです。)
日々のデイトレの予習において、「ここで、エントリー」「ここで、損切」「この方法で利確」といった行動予定を、各トレード対象銘柄毎に設定しておく、いわゆるトレードプランは、非常に大事です。
しかし、これらは「予測」ではありません。
将来起こりうる事について、起こりうる可能性毎に対応を分類しているだけなのです。
何がどう起こっても、常に優位性を維持した行動をとれるように予め予定しているのです。
ザラ場での「ハラハラ、ドキドキ」という優位性の無い精神状態での間違いトレードを避ける為の、最善の方策といえるでしょう。
一方、例えば何らかの理由・情報により「この株は、間違いなく上がる」と思ったとしたらどういう行動を取るでしょうか?
まだブレイクしてもいない揉み合いの最中に早まって買ってしまうかもしれません。
ちょっと下がったら、「お買い得」感で買ってしまうかもしれません。
買いエントリーした後に下がったら、「そんなはずはない」と粘ってしまい、予測の根拠となったニュースなんかを念仏のように読み返している間に、損切のタイミングを失ってしまうかもしれません。
全く、ろくな事は無いのです。(マーケットに「絶対」なんてありません。唯一「インサイダー」が有りますが、ズルなので法律で禁止してます。)
トレードとは「上る株を当てる」事のように思ってませんか?
この考え方は、ずっと昔から「株」に対するイメージとして定着してきたものです。
私はこれを否定も肯定もするつもりはありません。
でも「デイトレ」をするのであれば、少し頭を切り替える必要があると思っています。
「行動を予定しておく」という事の意味、価値。
「結果を予測する」という事の無意味さ。
この2つについて、ご自分の日々のトレードに照らして考えて見るのも、有意義な週末の過ごし方となるのではないでしょうか?
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