「複雑な方が勝てそう」、というのはマーケットに対する誤解の最たるものの一つといえるでしょう。
小、中、高、大学と段階的に難しい事を習い「複雑な方が高級」というイメージが定着してしまっているのも原因の一つだと思います。
ところがデイトレでは、「複雑で微妙」より、「シンプルで明確」な方が優位性があります。
再現性が高く、一貫性が保ちやすいからです。(逆にいえば、トレードというのは毎回が千変万化に見え、それに合わせてスタイルを変えてしまうので、一貫性がいつまでも作れないという事が起こりがちです。)
WISHさんは検証によって、「シンプルで明確」な方法にたどり着きました。
でも、それで安心してはいけません。
まだ道半ばといったところです。
これからはその方法を、体に覚えこませる反復練習の段階です。
頭では理解していても、それが完全に使いこなせるようになる為には、飽きるほどの反復練習が必要です。
空手でもボクシングでも(上級者ほど)、いきなり相手と殴りあうのではなく、突きや蹴りの基本動作を何百回と毎日繰り返します。
突き方や蹴りなんて、数回繰り返せば十分やり方を覚える事ができるでしょう。
でもそれは大脳皮質のレベルの事であって、そんな知識で勝てるなら、それはスポーツじゃありません。
もっと脳の深いところ、意識も届かない脳の深いところに、反復練習で動作を刻み込む事で、瞬間的に最適な動作ができるようになります。
目の前に動くものが飛び出してくれば、顔を背けたり、目を固く閉じたりします。
身を守るために備わった反射神経(本能)です。
しかし鍛えたボクサーは、眼球を傷めない範囲で相手のパンチを見続けます。
目を開け続けた方がパンチを見切る事ができ、殴られずに済む可能性が高いからです。
これも繰り返しの練習で獲得できる事であって、「眼は、できるだけ閉じないように。」なんて教えてもらってすぐできるものではありません。
デイトレは、体を動かすところと言えば発注ボタンやキーボードを叩くくらいで、スポーツとは全く違うように感じられます。
しか攻撃と防御は常に行っているのであり、瞬時に正しい(本能をも制する)判断を下す為に反復練習が必要な点は、何ら変わらないと思います。
スポーツに基本動作の反復練習が必要である事は、かなり広く知られていると思いますが、トレードも同じである事を理解できている人は少数派だと思います。
ちょっと勝つと大胆になったり、ちょっと負ければルールをいじってみたり、常にスタイルが変わりがちです。
これでは、脳の深いところがデイトレを覚えるヒマがありません。
(補足)
ピアノも同じですね。
楽譜が読めて、指の動かし方を教わっただけではまだ何も弾けません。
よほどの天才でもない限り、年単位での練習が必要です。
楽譜を見ながら弾けても、まだまだです。
完全に暗譜して楽譜が小脳に落ちないと、「表現」にまでは手が届きません。
暗譜というのも不思議なもので、楽譜を見ながら繰り返し練習していると、本当に「いつのまにか」手の方で勝手に動いてくれるようになります。
完全に暗譜できても、楽譜そのものを暗唱しているのではありません。
暗譜した楽譜を書き起こすのは私には不可能です。
鍵盤の上で弾こうとすると指が勝手に動くだけで、鍵盤が無いところでは指の動きを完全に再現する事さえできません。
暗譜で演奏するのと、楽譜を「思い出す」事とは全然別の事です。
こういう脳の働きは、意識下にある事がいかに皮相的であるかという事を教えてくれます。
デイトレも、言葉で表現しきれない様々な事が脳の深部で起こっているのです。
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(補足)本能と理性の関係については、こちらのレポートで詳しく解説しています。
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