テクニカル分析に基づいて、例えば「株価が5MAを下から上に突き抜けたから、買い」というルールに従って売買するのも、システマティックではありますが、システムトレードとは少し違います。
米株のトレンド、指数のトレンド、乖離率、セクターの強弱、、、、、、
様々な要素、情報を収集しつつ、総合的に判断して「ヨシッ、行けッ!!」とばかりにタイミングを絞り込んでエントリーするのがデイトレーダーです。
一方、システムトレーダーが見つめているものは、「システム」だけです。自分で作ったにせよ、誰かが作ったものであるにせよ、自分で「やる」と決めたシステムだけを見つめているのが「システムトレーダー」です。
システムトレーダーがやる事は「じゃんけん」と変わりありません。経験も、知識も、判断力も、運動神経も、センスも、相場感も、ギャンブル運も、、、何も必要ありません。ただ、自分が納得して選んだシステムに「従順なロボット」になりきる事だけが求められます。
「なんて簡単な事!」に見えながら、実行は「なんて難しい事!」でしょう。
優位性のあるシステムに対して、システムオペレータになりきる事は、容易ではありませんが、なりきれれば、速攻で大変な事が起こります。ラリー・ウィリアムズがもの凄い成績を上げられたのは、彼の「ザラ場以外の時間」の分析やシステム作りの卓越した能力もあるでしょうが、それよりも、「ザラ場で、システムオペレータに徹する事ができたからだ」という事を本人が述懐しています。
システムには、それに賭ける事ができるだけの「優位性」が必要ですが、同時にシンプルでなければいけません。私の「初心者時代のシステム」は、勝率を求めるあまり「複雑すぎ」ました。コンピューターを使って、様々なパラメーターの重要度を分析させ、バランスを最適化する事(重回帰分析)は、そんなに難しい事ではありません。あるパラメータと、価格変動との連動率というものも、「共分散構造解析」等の式を少し応用して計算させれば、簡単に算出できます。
簡単と書きましたが、コンピューターだから簡単なだけで、もし電卓しか無かったとしたら、とてつもない計算量になります。「VBの勧め」で書きましたが、現代のコンピュータの計算力は、想像を絶しています。極控えめに見積もっても、人間が手計算で4年の歳月を必要とする計算を、コンピュータは1分でやってしまうのです。私は自分のシステムを作る為に、自分のパソコンに何度も徹夜で計算させました。東証1部と2部、2000以上の銘柄について、5年分の日足4本値を徹底的に分析しました。1日24時間連続で計算させるだけで、電卓で手計算していれば、5000年以上かかる事になります。中国4000年の歴史と言いますが、中国が始まる1000年前から始めても、未だに終わらない計算量です。 (不眠不休でです!)
これだけの計算で出てくる結果とは、何か偉大なものなのでしょうか?そうかもしれないし、そうじゃないかも知れない。もう、人間の頭で把握できないのです。
今、この世界には無数の「システム」があると思います。もの凄い利益率や勝率を叩き出すものも一杯あるでしょう。でも、現代のコンピュータを使えば、過去5年~10年分くらいのデータから、驚くほどの成績を示す「システム」を作り出す事は簡単な事なのです。(この為、「詐欺システム」も一杯あるはずです。) しかし、いざそのシステムを今日以降のマーケットで使って勝てるとは、全然限りません。コンピュータは、その計算力によって、人間には到底不可能なほど巧妙な「つじつま合わせ」をやってしまうのです。究極の「タラレバ」トレードです。
システムトレードにおける「つじつま合わせ」を、カーブフィッティングとも言いますが、これが厄介なのです。私も、システム作りの過程で何度「ぬか喜び」させられたか知れません。当然この「リスク」には気づいていましたので、極力カーブフィッティングの可能性の排除には努めましたが、「準備期間3ヶ月以下」というのは、やはり短すぎました。自分のシステムでありながら、どこまでが本当で、どこからがコンピューターに騙されているかわからない状況での「試運転」だったのです。
システムトレードの事になると、つい熱くなってしまいますが、なかなか前に進みません。余談がすぎました。
シンプルなシステム、拍子抜けするほど簡単なシステムが、過去の期間において利益を叩き出しているとすれば、コンピューターに騙されている可能性が著しく低くなります。私が紹介しようとしているのは、そういう「シンプル」なシステムです。明日に続きます。




